不完全燃焼の浦和、監督が掲げた攻守の改善点 ボール奪取率80%の“その先”は?
ヘグモ体制で開幕6試合は2勝2分2敗、9得点10失点と課題あり
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は4月5日のトレーニング後に定例のオンライン会見を行い、攻守両面での改善点を挙げた。
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浦和は今季からヘグモ監督が就任し、4-3-3システムを導入して沖縄県トレーニングキャンプから準備を進めた。しかし、自陣で質が高く強固なブロックを形成してJ1最少失点を達成した昨季から、ハイプレス型へと大きく転換していることにより、システム変更よりもチーム全体のモデルチェンジのニュアンスが強い。まだまだハマり切らない部分が多く、リーグ6試合を終えて2勝2分2敗の勝ち点8、9得点10失点という成績が残っている。得点力アップが実現されている部分もあるが、失点はかなり多いと言える。
4月3日のJ1リーグ第6節FC東京戦(1-2)では、FWチアゴ・サンタナの超ロング弾による得点はあったが、それ以外にも前半30分までに4回ほど、決定機または決定機につなげるべき攻撃の場面があった。いい立ち上がりをしながらそこでゴールを奪えていないという点では、それまでの試合と同様の課題が出た試合とも言えた。
ヘグモ監督は「FC東京戦では伊藤敦樹が2回ほどボールを奪って、そのまま運んで2人か3人を抜き去る場面があった。そこから4対2の場面も作っている。その後に裏に抜ける動きとパスのタイミングが合えば、より大きなチャンスを作れるだろう。そして、いろいろな要素も改善できるだろう。最後の個のクオリティーもあるし、ラストパス、関係性もそうだ。判断をキャンセルして、別のプレーをできるかどうかもあるだろう。2点目を取っていればまた違った流れになる。決定力は上げていかないといけない」と話した。
また、ヘグモ監督は「この試合では相手チームがボールを持っている時に28回ボールを取りにいって、23回ボールを奪取している。80%ほどボールを奪えているのは悪くないと思う。そのボールを奪いにいくところでいい形はできていると思う」と話す。
一方で、MF岩尾憲が「プレスに関してはいいシーンができてきているけど、ブロックを作った時の守り方は少しあいまいな雰囲気や立ち位置を感じている」と話したように、トータルしてみた時に失点の危険性を下げることができていない試合運びは目に付く。
指揮官は「1つは新しいサッカーに順応するプロセスにあるので、安定させることが必要。また、中心選手がシーズン当初から怪我などで離脱したり戻ってきたりとなっている。ミスも冒している。それはなくさないといけない。もちろんチームとしても安定した守備ができないといけない。1対1の強さも上げようとしている。そこの複合もあると思うが、シーズンを通して平均1失点以下にしたい。この前のホームゲームで相手に与えたチャンスは2回だったが、それよりももっと守備を安定させたい」と話す。
主将のDF酒井宏樹がFC東京戦で膝に違和感を訴え後半の早い時間で交代。ヘグモ監督は「検査はしているが、まだ結論は出せない。明日(6日)の練習で見てみたい」と、7日のサガン鳥栖戦に向け状況は不透明だと話す。
攻守両面での改善が必要な状態なのは明らかな浦和だが、シーズン後半までに上位と引き離されないためにも勝ち点を獲得しながら修正を図ることが求められている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)