広島DF荒木は町田のロングスローを警戒

　昨シーズンにJ2リーグを制して初のJ1昇格を決めたFC町田ゼルビアは、J1でも第2節から5節まで4連勝を飾る快進撃で首位に立っていた。4月3日の第6節では、ここまで2勝3分と無敗のサンフレッチェ広島と対戦したが1-2で敗れ、今シーズン初黒星を喫している。

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　元日本代表MF中村憲剛氏をはじめ、ミヒャエル・スキッベ監督が率いて3シーズン目の広島を今季のJ1優勝候補に推す声は多い。そんな力のあるクラブの選手たちも、今季J1に昇格してきたばかりの町田には勢いを感じていたという。

　エリア内でファウルを受け、決勝ゴールとなるPKを獲得したDF佐々木翔は、「本当にタフな試合でしたけれど、DF陣がどうこうだけじゃなくて、前の選手がプレッシャーをかけてくれるからこそ、ロングボールの質であったり、コースが限定されることはもちろんあります。相手のやりたいことをある程度は、映像を見ながら情報も入れていたので、相手の良さをある程度は抑えながら進めていくことができたかなと思います」と語りつつも、「ただ後半、僕らがボールを動かす回数が減ってしまったことは、奪った時はボールをもう少し動かしたい。その回数が増やせたら良かったかなと思います」と、課題も残ったと口にした。

　DF荒木隼人は「立ち上がりとか非常に相手も切り替えが早くて、GKがキャッチしたあともすぐにパッとボールを渡してカウンターを仕掛けてくるとか、試合を通しての町田自身がやることを徹底していた。そこが強さの要因かなと感じました」と、口にした。

　そして、試合終盤に押し込む形になった町田は、左右からのロングスローで決定機を作った。広島FW大橋祐紀が「あれは自分のミス」と振り返ったが、オウンゴールも誘発している。途中からは広島の選手たちも、サイドにボールを蹴り出すことに迷いが生まれているようにも見えた。

　ピッチの外から見ていた荒木も「それはあったと思うんですよね。特に最後にロングスローから失点した時は見ていて、『町田を相手に1点差だとこういうことが起こりえるんだな』と思いました。一本決まってしまうと、相手の成功体験になるので。そういった面は嫌な戦い方をしてくるなと思いました」と、首位に立っていたチームの強さを感じられたようだ。

　町田のDF林幸多郎も最終盤の時間帯には「最後まで点を取りに行こうという姿勢が見せられたと思いますし、しっかりロングスローという武器で1点取り返せたところはポジティブだと思います。自分たちが今までやってきたことは間違っていないと思うので、ブレずに次からもやっていきたい」と、広島との戦いの中で好感触を得られたことも口にしている。

　シーズン初黒星がついた町田。昨季はJ2で連敗をしなかったが、中3日で迎える川崎フロンターレとの試合では、再び勝ち点を積み上げることができるだろうか。