五輪世代は「自由に選手が選べない」 U-23日本代表、“招集拘束権”がないが故の悩みを吐露
大岩監督は発表前夜の深い時間まで選考に悩む
大岩剛監督率いるU-23日本代表は4月4日、カタールで行われる15日開幕のパリ五輪最終予選を兼ねたU-23アジアカップのメンバー23人を発表した。メンバー選考は前日深夜まで及んだという。
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U-23日本代表は16日にグループリーグ第1戦で中国と、19日にアラブ首長国連邦(UAE)と、22日には韓国と対戦。最終予選を兼ねた同大会では16か国が参加し、グループリーグを経て各組の上位2か国が決勝トーナメントに進出。そこで上位3か国に出場権が与えられ、4位はアフリカ予選4位のギニアとのプレーオフに回る。
大岩監督はメンバー23人を決断したタイミングを記者会見で尋ねられ、「昨日(4月3日)、Jリーグがありましたので、当然その試合を見ながら、その試合後の選手の状況、そしてスタッフ間での情報共有、交換を含め、昨日の夜にすべての選手の決断をしました」と明かした。
FC東京からはGK野澤大志ブランドンMF、松木玖生、FW荒木遼太郎と最多の3人が選出。大岩監督は「人数制限だったり、いろんな悩みはこういう大会に臨む選手を選ぶというところで起こりえること。それを踏まえて23人を選びました。各クラブ、1つのクラブだけではなく、同じような条件の元で、選手を派遣してくれるという状況だったので、それはしっかりどこのクラブを優先するしないは、そういうことではなくて、我々お願いベースですので、しっかりコミュニケーションをとったうえで、各クラブにお願いして協力をいただいているという認識で選手を選んだ。感謝とともに責任を果たす気持ちで大会に臨みたい」と、各クラブの協力に報いたい思いを口にした。
また、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「今の補足として」と切り出し、招集に関して拘束権がない実情を明かしつつ、「みんなの力を結集したい」と語っている。
「昨年9月にJクラブと、強化部会、技術委員会、全体でバランスをとってみなさんに協力いただかないと、A代表のように大陸のチャンピオンを決める大会ならIW(インターナショナルウィーク)で拘束できる。それが叶わないのが、五輪が育成年代の大会である難しさ。そのなかで現場の監督、コーチングスタッフには負担をかけているのは間違いない。自由に選手が選べない。決まったルールの中で、本当に落ち着いていい準備をして、実は昨日も深夜まで悩んでいました。そのなかで、外さなきゃいけない選手も出てくる。本当に何が正解か分からないなか、本当にいい準備をしてきて、ここにたどり着いたと思う。監督が自分の力を信じて挑んでくれれば必ずいい方向に行くと期待している。全クラブ合意に基づき対応してくれた。改めて感謝しかない」
(FOOTBALL ZONE編集部)