初黒星の町田が受けた「J1の洗礼」 広島と真っ向勝負で“力負け”した原因とは?
町田は第6節で初黒星となった
J1リーグ第2節以降4連勝で首位に立っていたFC町田ゼルビアは、4月3日に行われた第6節でサンフレッチェ広島に1-2で敗れ、シーズン初黒星を喫した。
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ここまで4バックでシーズンを戦ってきた町田だったが、この試合ではシーズン初先発となったキャプテンのDF昌子源を左センターバックに起用して3バックを採用。広島に対してミラーゲームを挑む形になった。
試合後の会見で黒田剛監督は「強豪サンフレッチェということで、我々としても球際とか、切り替えとか、いろいろ彼らの意図するところ、彼らの得意とするところで真っ向勝負したいということで入った」と、その意図を説明したが「今思えば、前半立ち上がりからかたさなのか、出足のところ、それからセカンドボールの回収率で広島さんの方がやっぱり上手だったなという印象です。回収率からゴール前に運べる回数も多くなかったし、なかなか我々の意図する攻撃には結びつかなかった」と、反省した。
実際に試合開始から後半の残り10分まで、試合の主導権は広島が握り続けた。広島のミヒャエル・スキッベ監督は、「自分たちはサッカーの内容の面、走力の面でいいパフォーマンスを見せられたと思います」と胸を張ったが、互いにプレスをかけあうなかでも、ボール扱いの正確さなどの技術の面では広島に分があった。
この試合でも個人で広島の脅威になっていた町田のU-23日本代表MF平河悠だが、「相手の方がセカンドボールを拾っていたし、出だしもそうですし、前線の収まりも上だった。それがこの点差になったと思う」と言う。
そしてJ1で3度の優勝を誇る相手の強さについて、「広島さんの力、選手の能力もわかっていましたが、やりたいサッカーがなかなかできなかった。前線の守備からもなかなかボールを奪えませんでしたし、攻撃のところでも、収めたいところでも収まらなかったり、ファウルになったり、フラストレーションがあったなかで難しいゲームになった印象です。(この5試合で)体感的にも一番プレッシャーが早かったし、前線の収まり具合も今までで一番つぶせなかった。プレスバックの回数も多く、いつもより後ろでプレーしなければいけなかった」と語った。
DF林幸多郎も「向こうはセカンドボールをしっかり拾ってきた。球際での強度は、今までの相手と違うなというのは映像を見ていても思っていました。そこは全体で共有していた部分でもあったのですが、そこで自分たちが対応できなかった」と、広島の個の能力の高さに言及した。
これまでとは異なる3バックの布陣で試合に臨んだことも、町田のルーズボールを回収する力に影響を及ぼしたかもしれない。林は「シャドーの裏抜けだったり、3バックの両脇もセンターバックがついていって落ちたところも、しっかりアタックできるので3バックにしたのですが、そういう場面をなかなか生み出すことができずに下がってしまった。もっと勇気を持って『1対1でも大丈夫ぐらい』に寄せていくべきだったと思う。でも入りの部分で重くなって、後手になってしまった」と、3バックが機能しなかったと振り返る。
この試合の前半15分に負傷でベンチへ退いた広島のDF荒木隼人は「ミラー(ゲーム)で来たのは意外でした。僕らに対してミラーで来るのは、普段からやっているチームなら別ですが、あまりやっていないチームがぶつけてくると、僕らにとってはありがたい状況。ミラーになると1対1のところがあるので、僕らはそういう球際とか、パワーとか、スピードのところの強さがチームとしてあるので、むしろありがたかった」と、町田が自分たちの土俵に立ってくれたことで優位に試合を運べたと指摘した。
今シーズン、優勝候補の一角に挙げられる広島に対して真っ向勝負を挑んだ町田だが、昨季3位の強豪に第6節で「J1の洗礼」を浴びることとなった。