ジム新契約&黒いテーピング&食事…川崎GKがたどり着いたルーティン変化「死ぬ覚悟で」

チョン・ソンリョンのルーティン変化とは?【写真:徳原隆元】
チョン・ソンリョンのルーティン変化とは?【写真:徳原隆元】

チョン・ソンリョンが「手首に黒いテーピング」を巻いた思いを明かす

 川崎フロンターレは4月3日、J1リーグ第6節で横浜F・マリノスと対戦しアウェーのなか0-0と引き分けた。前半から何度も横浜FMの得点チャンスを防いだGKチョン・ソンリョンは、2試合連続でクリーンシートを達成。その一因には、自身の「準備」の変化があると語る。

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 川崎は開幕節(2月24日アウェー・湘南ベルマーレ戦/2-1)を勝利でスタートしたが、第2節以降でリーグ3連敗。調子が上がり切らないなか3月30日に迎えた前節FC東京とのホームゲームで、3-0の完勝を飾る。その立役者の1人となったのは、無失点で抑えた守護神だった。

 2連勝を目指し、横浜FMのホーム・日産スタジアムに乗り込んだ川崎だったが、前半は相手のペースに飲まれる展開が続く。それでもチョン・ソンリョンはしっかりと、際どい相手のシュートを弾いていた。

 前半24分には、コーナーキックの最大のピンチをMF橘田健人のスーパークリアで凌ぐ場面も。GKのチョン・ソンリョンを含め、DFジェジエウやDF高井幸大らセンターバック(CB)を中心に、守備陣が集中していたことが無失点につながる。横浜FMの枠内シュートは4本だったが、惜しいシーンを作られつつもゴールを割らせることはなかった。

 一方、後半28分には川崎FWマルシーニョが足裏で踏みつける行為で、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入もあり一発退場に。敵地で1人少ない状況となったが、相手の猛攻を防ぎ切り0-0で試合を終えた。

 チョン・ソンリョンは試合を振り返り「勝ち点3を取りたかったが、(1人少ないなかでも)最後まで無失点で終えたことはポジティブにつながったのではないかと思う。みんなで集中していた」と、GKとしてゴールを割らせなかった守備の部分を評価した。

 連敗の厳しい時期には意識的に“準備”のルーティンなどに変化を加えたとしたチョン・ソンリョン。3連敗の最中に自宅近くのジムと契約し、これまで「クラブハウスまで行ってランニング」していた部分を、「家の近くのジムで身体を動かせるようにした」という。

 また試合前日の食事にも工夫を凝らす。アヒポキ(ハワイ料理)を食べるようになり、「便秘気味だったが、それが良くなった」とその効果を笑顔で話した。

 前節の勝利したFC東京戦からは「手首に黒いテーピング」を巻いている。チョン・ソンリョンは「グラウンドで、死ぬ覚悟で。強い気持ちで挑んでいる。チームが3連敗してしまったが、1人1人いい準備する期間があった。みんなで4連敗、5連敗というものは……チーム的にも切り替えたかった」と、テーピングに込めた思いを伝えた。

 そのおかげもあってか、直近2試合でクリーンシートを達成。本人は「それだけ(が要因)ではないが、それぐらい準備というのは大事だなと思う」と改めて“準備”という言葉を発し、自身のパフォーマンスを最大限に発揮するための行動の意味を示した。

「言葉よりもグラウンド、インタビューよりもグラウンドで選手として見せつける」

 韓国にいた時に、ある人から伝えられた言葉。チョン・ソンリョンの数々のビッグプレーを支えているのは、そうした母国の金言が背景にあったようだ。

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