鎌田大地は「遠い親戚のよう」 新指揮官下で復活…一変ぶりに伊驚嘆「最大のパフォーマンス」
序盤は苦戦も終盤で戦力になれるか
イタリア1部ラツィオは現地時間3月30日に2位の強豪ユベントスとの試合に臨み、1-0で勝利した。スタメン出場して後半34分までプレーしたMF鎌田大地について、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、「遠い親戚のようだ」と見違えたプレーを表現している。
ラツィオは2021-22シーズンからマウリツィオ・サッリ氏が率いていたが、3月11日のウディネーゼ戦まで公式戦4連敗を喫してクラブ上層部が懲罰的な強制合宿を指示するなどチームの緊迫感が高まっていた中で、13日に電撃辞任した。そして、1試合を暫定監督体制で乗り切ったのち、現役時代クロアチア代表やユベントスなどでプレーしたイゴール・トゥドール氏の新監督就任が発表された。
鎌田は昨季限りでドイツ1部フランクフルトを退団し、夏の移籍市場の最終盤でラツィオに加入。シーズン入り当初はスタメン起用もあったが、徐々に出場機会から遠ざかった。すでに今季限りで退団する可能性が指摘され、最近では日本代表からも遠ざかっている。
しかし、この日が初陣になったトゥドール監督は鎌田をダブルボランチの一角に据えてスタメンで送り込んだ。前半から積極的なプレーを見せたラツィオは試合終了間際に攻撃参加したDFアダム・マルシッチの決勝ゴールで1-0の勝利をつかんだ。
レポートでは鎌田について「最大の驚きは、マッテオ・グウェンドージではなく鎌田をダブルボランチの一角でスタメン起用したことだろう。彼は、コロッセオの陰に隠れて少なからず苦労していた日本人の遠い親戚のようだった。完璧ではないのかもしれないが、ラツィオのユニフォームを着て以来で質的にも量的にも最大のパフォーマンスだった」と評された。
イタリアでは悪いプレーをした時など「顔の似た兄弟のようだった」という表現をされることもあるが、今回は「遠い親戚」という言葉で今までのパフォーマンスとの落差が表現されていた。トゥドール監督の初陣で劇的な勝利をつかんだラツィオだが、鎌田もシーズン終盤戦で確実に戦力としてピッチに立つ機会が増えていくだろう。メディアを含めた周囲からの評価が高まっていけば、より好循環が生まれることも期待される。
(FOOTBALL ZONE編集部)