ラツィオ鎌田大地…11戦ぶり先発のリアル評 イタリア人記者が吐露「とても驚いた」「合格点だ」【現地発】
第30節ユベントス戦にボランチで先発出場の鎌田、イタリア人記者が出来を称賛
イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地が、現地時間3月30日のセリエA第30節ユベントス戦でリーグ戦11試合ぶりのスタメン出場を果たし、後半35分までプレーして1-0勝利に貢献した。現地のイタリア人記者はどう評価しているのか。ラツィオ専門メディア「La Lazio Siamo Noi」(https://www.lalaziosiamonoi.it/)のアレッサンドロ・ヴィットーリ記者に話を聞いた。(取材=倉石千種)
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公式戦4連敗を受けてマウリツィオ・サッリが3月13日に電撃辞任したラツィオ。後任として元クロアチア代表DFのイゴール・トゥドール氏が指揮官に就任し、今回のユベントス戦が新体制の初陣だった。
ユベントス戦でボランチとしてスタメン出場した鎌田は効果的にボールを散らし、攻撃のリズムを作りながら、自らも果敢にミドルシュートを放つなど存在感を発揮。鎌田は後半35分で退いたものの、同アディショナルタイムにDFアダム・マルシッチの決勝ゴールでラツィオが1-0と勝利し、新体制初陣で白星スタートを切った。
試合後、ラツィオ専門メディア「La Lazio Siamo Noi」のアレッサンドロ・ヴィットーリ記者に鎌田の起用について聞くと、「このポジション(ボランチ)での先発にとても驚いた。ルイス・アルベルトがちょっと筋肉痛だったので、もっと前での起用を僕たちは予想していた、ダブル司令塔だと思っていた」と率直な思いを明かす。
またパフォーマンスにも言及し、「鎌田はいい試合をした。なかなか洗練されたいいプレーをした。まだデータを見ていないが、よりフィジカルの強さを見せつけた、前よりもね。前半、マヌエル・ロカテッリ、ファビオ・ミレッティらによく対応していた。このリーグ終盤、チェントロカンポ(MF)で違うシナリオを書き始めた」と称賛する。
採点については「6.5。彼には何かもっと期待してしまうからね。攻撃的な活躍をさらに期待している。でも集中力、フィジカルの強さなど十分、合格点だ」と太鼓判を押した。
リーグ終盤に再び評価を高めそうな気配が漂う鎌田だが、ヴィットーリ記者は「僕が思うには、彼はもう未来の選択をしてしまっていると思う。セリエAでプレーするよりも、違う国のリーグに行きたいと思っているだろう。でもサッカーの世界は、何が起きるか分からない驚きがあるから、3年のオプションを彼が行使するかもしれない。今後の何試合かで、戦術的に最適な関係、最適なポジションが見出せれば、トゥドール監督と一緒に来季もラツィオに残るかもしれない」と展望していた。
倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。