PKを「蹴らせてくれ」 U-23日本代表FW、冷静な今季“初ゴール”裏側「勝ちたかった」
PK、後半アディショナルタイムのゴールでチームを救った染野
今シーズン、ここまでノーゴールだったストライカーが3月29日のJ1リーグ第5節京都サンガF.C.戦でついに爆発した。昨シーズンの昇格プレーオフ決勝の清水エスパルス戦で、16年ぶりに東京ヴェルディをJ1に導くPKを決めたFW染野唯月だったが、今シーズンは開幕4試合を終えてノーゴール。U-23日本代表の3月シリーズでも得点を挙げられずにチームに戻っていた。
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前半で2点のリードを許す難しい展開になった東京Vだが、後半35分にMF山見大登がエリア内でドリブルを仕掛けてファウルを誘発しPKを獲得する。このPKを染野が決めて1点差に詰め寄った。さらに後半アディショナルタイム3分にも、染野は途中出場したMF齋藤功佑の右からの折り返しをゴールに決めた。この試合を視察した日本代表の森保一監督も「五輪代表後にJで点を取ると言っていたが、有言実行はすごい」とうなったが、チームに勝ち点1をもたらす活躍ぶりだった。
試合後にミックスゾーンで取材に応じた染野は「前半に自分たちの思うように試合を運べなかったことは改善しないといけなかった。前半の入りはチーム全体として引き締めて入らなきゃいけなかった。でも、2点決められて次に向けてポジティブにとらえなきゃいけない。反省しながらも勝ち点0と1で終わるのは違うと思うので、良い方向に考えながら次に向けて頑張っていきたい」と、試合を総括した。
今季初ゴールとなったPKについては「山見選手が良い抜け出しでファウルをもらえたので。自分は『蹴らせてくれ』と言って蹴らせてもらえましたし、蹴る時は冷静に決めることができた」と振り返る。ゴールが決まった直後、すぐにゴールの中にあるボールを拾ってセンターサークルに戻ったが「自分たちは勝つことができていなかったので、何としても勝ちたかった」と言う。
その思いが勝ち点0を1にした。アディショナルタイムの劇的な同点ゴールについては、「あそこは常に狙っているところだし、自分がゴール前に入っていく回数をだれよりも増やさないといけないと思っていた。本当に良いボールが来て、上手く相手の裏を取って決めることができたので良かったです」と、振り返った。
そして、齋藤からの折り返しに感謝する。「クロスの練習を含めて、練習からあそこを狙ってくれているので。試合中に話さなくてもあそこに来るなと分かっていた」と、コンビネーションに自信を見せた。
チームを引き分けに導いた染野だが、勝てなかったことで心底喜ぶことはできていないようだった。「自分がもう1点取れた場面もあったし、もっともっと決めなきゃいけないとか、チャンスを作らないといけないシーンもあったし、これからもっと増やさないといけない。練習から自分のなかで意識していきたい」と、2ゴールにも満足せずに更なる成長を誓った。