人種差別被害に思わず号泣、会見場の姿に反響拡大

　ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが人種差別と闘う現状を涙ながらに訴えた会見で、1人の日本人女性ジャーナリストが涙した光景は国内外で反響。ブラジル人アタッカーへの思いは自身のインスタグラムにも綴られ、その振る舞いに対し海外から絶賛や感動の声が相次いでいる。

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　ブラジル代表のヴィニシウスは、スペイン1部レアル・マドリードで世界屈指のアタッカーとして活躍する一方、試合中にファンから人種差別の標的に遭うなど、深刻な問題へ発展している。反人種差別を目的に企画されたスペイン代表との国際親善試合（26日）を前に行われた会見では、辛さを思い涙する場面も見られた。

　この会見場で日本人女性ジャーナリストの藤原清美さんが見せた涙が海外で脚光を浴びた。長年ブラジル代表チームや選手を取材してきた藤原さんは、ヴィニシウスを見つめながら質問をしようとすると人種差別に苦しむ相手を思い、思わず号泣。ヴィニシウスから「落ち着いて」と促されながら言葉を紡いだ。

　スペインメディア「Relevo」など、海外メディアがその姿に注目。実際の号泣シーンはSNS上でも拡散され、ブラジル人アタッカーを思いやったその振る舞いは、多くの人の胸を打った。藤原さんは自身のインスタグラムに自らが涙を浮かべた瞬間とそれを見るヴィニシウスが写った会見時の写真を添えて、ヴィニシウスへの思いを綴っている。

「以前、ヴィニシウスJrの故郷を訪ねて、幼い頃からの友達や、彼を発掘した指導者たち、学校の先生、一緒に貧しい子供たちのための活動をしている人たちにインタビューをしたことがあります。そして、ヴィニがどんな困難に出会い、どんな風に戦ってきたかを聞きました。そう言う全てを乗り越えてきたからこそ、世界サッカーの主役の一人である、今のヴィニになったんだと思います。

　今後、彼の戦いが、こういうことだけになることを願って止みません。自分のサッカーを向上させ続けるため。試合や大会での勝利のため。ゴールやアシストで、チームやサポーター、家族、友達に幸せをもたらすため…。ヴァモラ、ヴィニ。」（原文ママ）

　ヴィニシウスの幼き頃からのルーツを知る身とあって、熱い思いが文章にもあふれ出た。インスタグラムのコメント欄には、ブラジル人写真家のラファエル・リベイロ氏が「あなたは素晴らしい人です。とても感動した」とメッセージを寄せたほか、海外ファンからも「あなたのような人がもっと必要」「彼女の素晴らしさを表現する言葉がない」「模範的なプロフェッショナル」といった声が寄せられ、その姿に感動の輪が広がっていた。