FKに壁なし戦術で対抗 アルゼンチン相手の“奇策”に海外注目「天才か狂気か」

アルゼンチン相手にエルサルバドルが見せたFKの”壁なし戦術”が話題【写真:Getty Images】
アルゼンチン相手にエルサルバドルが見せたFKの”壁なし戦術”が話題【写真:Getty Images】

壁をあえて置かないエルサルバドル代表の守備に脚光

 エルサルバドル代表は現地時間3月22日、国際親善試合でアルゼンチン代表と対戦し0-3で敗れた。アウェーで完敗を喫したなか、この試合では相手フリーキック(FK)の場面でエルサルバドル代表が見せた“守り方”に注目が集まっている。

 試合は前半16分にアルゼンチン代表がDFクリスティアン・ロメロのゴールで先制すると、同42分にはMFエンソ・フェルナンデスが追加点を挙げた。後半に入ってもアルゼンチン代表の勢いは衰えず。立ち上がりの同7分に今度はMFジオバニ・ロ・チェルソがボックス内で右足を振り抜いてネットを揺らし、試合にとどめを刺した。

 世界王者に胸を借りた試合で無得点の完敗を喫したエルサルバドル代表だったが、前半に見せた“守備”が反響を呼んでいる。それは、同19分にゴール正面約20メートルの距離で与えたFKの場面。ボール近くにアルゼンチン代表の選手3人が集まった一方、通常なら目の前にあるはずの壁がない。バニシングスプレーで引かれた線上にエルサルバドル代表の選手1人が立っているものの、フィールドプレーヤーは2人が左右ゴールポストの側に立ち、ほかはボックス内で密集している状態だ。

 プレーが再開されると、最初に助走に入ったMFアンヘル・ディ・マリアがヒールで変化を加え、MFレアンドロ・パレデスが右足でシュート。しかし、ボールは飛び込んできた相手に当たり大きく枠から外れた。顔をしかめるパレデスの様子からは、どこか勝手が違うという戸惑いが伝わってくる。

 このFKシーンには、ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」も注目。公式X(旧ツイッター)は動画を公開するとともに、該当シーンについてこう描写した。

「天才か狂気か? エルサルバドル代表は、何世紀も前からある伝統的な障壁を捨てアルゼンチンのフリーキックを待つために選手を広げた。少なくともこのケースでは上手くいった……」

まさかのFK“壁なし戦術”動画が公開されると、早速ファンが反応。コメント欄には「理にかなっている」「FKを決めるのが難しくなった」「壮大なアイデア」「上手く機能している」「壁を作る時代は終わった」といった反応が寄せられた。こうした例を参考にFKで壁を置かないことがトレンドとなるか、今後が注目される。

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