パリ五輪で板倉&冨安コンビを招集? オーバーエイジ活用法考察、露呈した課題解決の糸口【コラム】
マリに1-3の完敗
今年のパリ五輪を目指すU-23日本代表は、3月22日にU-23マリ代表との国際親善試合で1-3の完敗を喫した。前半2分にMF平河悠が先制点を奪ったものの逆転を許し、五輪イヤーの初戦をいい形では飾れなかった。特に組織的な守備において課題が残った。
前半2分、日本は右サイドからのフリーキック(FK)をMF山田楓喜が中央に入れると、FW植中朝日がフリックしたボールが相手に当たってこぼれたところを拾ったMF平河悠がシュート。右のゴールポストを叩いたボールはそのままゴールに吸い込まれ、電光石火の先制点になった。しかし、同34分に日本は自陣でボールロスト。GK野澤大志ブランドンからのパスを受けたMF川﨑颯太のパスが弱くなってしまい、MFママドゥ・サンギャレにカットされると1対1を冷静に流し込まれて失点した。
さらに後半8分、日本はショートコーナーからサンギャレにミドルシュートを許すと、野澤がキャッチしきれずに弾いたボールをMFママドゥ・トゥンカラに押し込まれ1-2とリードを許し、後半45分には追加点を奪われて1-3の敗戦を喫した。
まずは8大会連続となる五輪切符獲得へ、最終予選での勝ち上がりが必要になる。4月に始まる最終予選は16日にグループリーグ第1戦で中国と、19日にアラブ首長国連邦(UAE)と、22日には韓国と対戦。最終予選を兼ねた大会では16か国が参加し、グループリーグを経て各組の上位2か国が決勝トーナメントに進出。そこで上位3か国に出場権が与えられ、4位はアフリカ予選4位チームとのプレーオフに回る。
要するに決勝へ進出すれば五輪切符は自動的に得られる。そのためにはもちろんリーグを突破しなければならないが、“死の組”級の対戦が待ち受ける。
この日のマリ戦で露呈したのは守備の不安だった。センターバック(CB)陣が失点の要因になったわけではなかったが、試合を通して身体能力の高い相手に対して苦戦。最終予選の相手とはまたタイプは異なるものの、負けが許されないグループリーグでは組織だった守備から攻撃につなげたいところだ。
突破が決まれば本戦に勝ち進め、オーバーエイジ(OA)も3人起用できる。過去OA枠を使用した5大会では4大会で最終ラインでの招集をしている。直近の東京五輪では最終ラインに吉田麻也と酒井宏樹。2016年リオ五輪では塩谷司と藤春廣輝が採用されている。大岩ジャパンも現在のA代表である板倉滉、冨安健洋の盤石コンビが招集できれば守備の改善を図れる。
それでもまずは最終予選を突破して、五輪切符を勝ち取らなければならない。3月25日には欧州予選を突破して本大会出場を決めているU-23ウクライナ代表とも国際親善試合を行う。最終調整の場で8大会連続の五輪切符へ向けて強固なディフェンスラインを築き上げたいところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)