「日本最高のパフォーマー」が北朝鮮を“圧倒” 英記者が先発11人を採点、露呈した不安は?

北朝鮮戦のスタメン11を採点【写真:徳原隆元】
北朝鮮戦のスタメン11を採点【写真:徳原隆元】

堂安へ最高7.5点「北朝鮮のDFを圧倒し続けた」

 森保一監督の率いる日本代表は3月21日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮と対戦し1-0の勝利を飾った。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバーを採点。最高点のMF堂安律には、得点のチャンスもあったことも言及している。

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 日本代表・北朝鮮戦の先発メンバー採点(10点満点)

<GK>
■鈴木彩艶 6点
 幸いにも、アジアカップのようなハンドリングエラーはなかった。おそらく北朝鮮がこの若いGKを試すような場面はほとんどなく、単純な攻撃を続けていたからだろう。

■菅原由勢 5点
 アジアカップでの残念なパフォーマンスの後で、スタメンに残っている幸運な選手の1人。終盤に橋岡大樹と交代になったことがそれを物語っていた。とはいえ、目を見張るほどではなかったが、十分に堅実だった。

■板倉 滉 6点
 後半、北朝鮮が序盤の劣勢を挽回しようとしてきたことで、ハードワークを余儀なくされた。しかし、バックラインを規律正しく保ち、懸命に相手の攻撃をシャットアウトした。

■町田浩樹 6点
 試合開始20分も立たないうちに頭でゴールを狙ったが枠を外れ、惜しくも追加点を奪うことはできなかった。堅実な働きで相手の攻撃を制限し、ペナルティーエリアに侵入させなかった。

■伊藤洋輝 5点
 長友佑都の招集は左サイドバックの不足を浮き彫りにしたが、森保監督は彼を起用した。リスクを冒して前に出ていく推進力を欠いていた。効果的な部分もあるが、魅力的ではなかった。

■田中 碧 7点
 試合開始直後から森保監督が彼をアジアカップに呼ばなかったことが間違いであったことを強調するパフォーマンス。精力的かつダイナミックで、上手くゴールを決めた。中央のポジションに活力を与えた。

■守田英正 6点
 試合時間残り30分に遠藤航と交代するまで、精力的なパフォーマンス。田中碧との連係が良く、規律をもって試合の流れをコントロールした。

■堂安 律 7.5点
 試合を通じて日本最高のパフォーマーだった。攻撃面のあらゆる才能を発揮し、ボールを持った時は常に北朝鮮のDFを圧倒し続けた。田中のゴールをお膳立てし、自らも得点を奪うこともできただろう。

■南野拓実 7点
 相手のミスを誘うプレッシングなどポジティブなパフォーマンス。前半の終盤、堂安の決定機を生み出したボール奪取は特に印象的だった。

■前田大然 6点
 リードを2点に広げるゴールを決める可能性があり、決めるべきだったが、彼のトレードマークであるプレッシングからチャンスを作るなどらしさを見せた。堅実なパフォーマンス。

■上田綺世 6点
 W杯予選の最初の2試合は楽々とゴールを決めたが、北朝鮮を相手にミャンマーやシリア戦ほど危険な場面を引き起こすことができなかったのは驚きだった。終盤のチャンスもGKに防がれた。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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