1-0で辛勝した

　日本代表は3月21日、ワールドカップ（W杯）アジア2次予選で北朝鮮と国立競技場で対戦。開始直後のMF田中碧による先制ゴールを守り切り、日本が1-0で勝利した。今回はMF三笘薫、MF伊東純也という“両翼の槍”を欠いて臨んだ一戦。ウインガーとして出場したMF前田大然は大きな役割を果たした。（取材・文＝FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞）

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　日本は前半2分、両サイドを広く使った攻撃を仕掛けるとファーサイドへのクロスを堂安が折り返し、ボールがこぼれたところで再び堂安が中央へラストパス。それを攻撃参加してきた田中が蹴り込んだ。電光石火の先制点で日本が優位に立った。

　1点リードのまま折り返して後半へ突入。だが、後半からは流れが一変し北朝鮮ペースとなった。何度も押し上げられチャンスを作られるなかで後半29分、森保監督はDF谷口彰悟とDF橋岡大樹に加えFW浅野拓磨を送り込み、5バックへ変更。身体を張って守り切り、1-0の勝利とアジア2次予選3連勝を掴み取った。

　三笘と伊東というダブルエースを欠きながらも、存在感を見せたのは前田。所属のスコットランド1部セルティックでは左ウイングを務めており、かつて同クラブのコーチで現在横浜F・マリノスの指揮を執るハリー・キューウェル監督から1対1で“ウインガーとは”を叩き込まれた。毎日映像を見せながらマンツーマンのミーティングで助言を受け、「スピードを生かせ」とハッパを掛けられた。

　三笘やMF中村敬斗とは違う持ち味で、右サイドに入ったMF堂安律も「彼（前田）が入ると2人分くらい走ってくれるので楽になる。左が槍で、右は僕が中に入りながらサイドバックの特徴を生かす意味では、（菅原）由勢も攻撃参加が増えたと思う」と、手応えを得た。

　前田自身、アジア杯を終えて「ハードワークだけでもチームは助かるけど、プラスアルファを出さないといけないと、アジアカップが終わった後に自分の課題かなと。スピードがあるのでそれは生かさないともったいない。チームでやっていることを代表でもやるように心がけている」と、ウインガーとしての役目を全うする覚悟だった。

　前田の起用は今後森保ジャパンの“幅”につながるだろう。三笘は6月シリーズの出場も不透明なため、新たな武器の出現はさらなる活性化を呼ぶはずだ。