「どのプレーエリアでもやれる」 相馬勇紀がアジアカップ落選から2か月で得た自信

日本代表の相馬勇紀【写真:Getty Images】
日本代表の相馬勇紀【写真:Getty Images】

所属するカーザ・ピアでは直近5試合のうち4試合が途中出場

 日本代表は3月21日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮と国立競技場で対戦する。26日にはアウェーの平壌でも同じ相手と対戦するが、今回の日本にはMF三笘薫とMF伊東純也の2人が不在。近年の日本代表の攻撃を引っ張ってきた2人の不在は不安材料でもあるが、出場機会を狙ってきた選手にはチャンスでもある。

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 そんなチャンスを生かしたい1人が、MF相馬勇紀だ。今年1月のアジアカップではメンバーに選ばれなかったが、三笘と伊東が不在の中で小柄なアタッカーには活躍が期待される。相馬は「招集してもらったからには、全力でやりたいと思います」と、意気込みを口にした。

 所属するポルトガル1部カーザ・ピアでは監督が2度にわたって解任され、相馬の起用法も次々と変わっている。直近5試合では4試合に途中出場しており、フェリペ・マルティンス監督からはサブの扱いを受けている。

「少ない時間でアピールしないと、やっぱり次につながらないので、そこ(ゴール)は意識しながらやっています。結構、この間、点を取れたこともあって、ゴール前のどこにボールが転がってくるかみたいな感覚が自分の中で上がってきているので、そこはぜひ今回得点でアピールしたい」

 3月8日のリーグ第25節CFエストレラ戦(3-1)で12分の出場ながら1ゴールを挙げたいい流れを持って代表に合流できたと語った。

 アジアカップのメンバーから外れたことを「自分の実力だと思っている」という相馬は、大会を「一国民というか、日本国民として応援しながらも、自分が出たらどうするかということは常にイメージしていました」と話す。当然、北朝鮮もアジアカップの戦い方を分析してくるだろう。三笘、伊東が不在で、もし2列目に相馬、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF堂安律(フライブルク)が揃い踏みということになれば、高さの面では分が悪い。

 相馬は「蹴り込んできたら、コンパクトさがなくなると思うので、1人1人のデュエルが大切になる。W杯予選のミャンマー戦のようにコンパクトブロックを作ってきたら、結構、引かれて難しかったのですが、ワンタッチだったり、ループだったり、変化を加えるプレーが有効だったので、そんな対処法がいいのかなと思います」と、自身の考えを口にした。

 これまではサイドバックもこなせる万能性が売りになっていたが、本来は攻撃的な選手。三笘、伊東の不在のチャンスで見せたいのは、アタッカーとしての万能性だという。

「左で出た時には、縦に仕掛ける部分と中に入っていく部分で自分の良さを出せると思いますし、ポルトガルで3人の監督とやるなかで、一番サイドで張って仕掛けることもあれば、8番と10番の中間のように真ん中で受けてスルーパスを出してアシストすることもしていました。今は右で出ていたり、本当にいろんなことをやっているので、結構、どのようなプレーでも、どのプレーエリアでもやれる自信がついてきているので、そこは少し変わった自分が出せるかなと思っています」

 現在の森保ジャパンは、欧州各クラブで各選手たちが個の能力を高めて、チームに還元している形が顕著になっている。ポルトガルでのさまざまな経験を糧に、相馬は今回のチャンスを生かしてチーム内での序列を高めることができるだろうか。

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(河合 拓 / Taku Kawai)



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