野々村Jチェアマン、秋春制移行後の“真価”に見解「ビジネスの価値がどれだけ高まるか」

野々村芳和チェアマン【写真:徳原隆元】
野々村芳和チェアマン【写真:徳原隆元】

特任理事の記者会見を実施

 Jリーグは3月19日に社員総会を実施し、その後に2期目を迎える野々村芳和チェアマンをはじめ理事や監事、特任理事の記者会見を実施した。野々村チェアマンは「シーズンのことなどを変える準備をしてきた2年間。ここからは実現していくフェーズに入る」と話した。

 野々村チェアマンはJリーグで6代目にして初めて、Jリーグでのプレー経験のあるチェアマンとして2022年に就任した。その第1期について「就任時にフットボールファーストとコメントし、あっという間の2年間でJリーグがどこに軸足を置くか色々なクラブの方と考えてきた。成長するために今までなかなか動かせなかったもの、ガバナンスや資金の傾斜配分、シーズンのことなどを変える準備をしてきた2年間」だと話した。

 そのうえで2期目について「ここからは実現していくフェーズに入ると思う。なるべくスピード感を持って対応しないと、国内だけでも大変なのに世界との差を考えたら置いていかれることになると思う。子供たちや選手が完全に世界を見据えるなか、僕たちがどう変われるか。また2年間、新しいメンバーと頑張りたい」と話し、より実行に移す部分がメインになってくるという考えを示した。

 その最たるものがシーズン制の移行になるとみられる。すでに2026年の途中にスタートして27年の途中で終了する、いわゆる「秋春制」の導入が決まっている。それについて野々村チェアマンは「日本サッカーのレベルがどれだけ上がって、ビジネスの価値がどれだけ高まるのかが重要だと思う。色々な知恵を出して進めていければいいと思うけれども、その先に目指すのは何かを意識していけるようにする2年間にしたい。変わってそこで終わりではないので」とコメントした。

 シーズン制の移行や、クラブへの配分金の見直しは実現されてきた。一方で、日本プロサッカー選手会の吉田麻也会長がABC契約の元になる「統一契約書」についてコメントしたことも。また、Jリーグの一部クラブからはシーズン選手登録人数やベンチ入り可能なスタッフの増員、1試合あたりの選手登録可能人数について18人からの拡大を求める声もある。

 野々村チェアマンは「前の2年間で変えたほうが良いと言われたことを変えられたが、まだまだ20年、30年とそのまま残っていて障害になっているようなものもある。前に進むために必要であれば、やっていく改革になると思う」と話し、過去に決まった制度の見直しは継続して進めていく意向を示した。

 新型コロナウイルスの影響から回復する段階としてスタートした野々村チェアマンの第1期だが、この第2期で改革と実行のスピードが加速していくのか注目される。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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