名門鹿島オファーは「とても嬉しい」と来日…10番のボール捌きに驚愕「復帰待っている」

鹿島のランコ・ポポヴィッチ監督【写真:徳原隆元】
鹿島のランコ・ポポヴィッチ監督【写真:徳原隆元】

ポポヴィッチ監督、鹿島からのオファーとピッチに立てていないキャプテンに言及

 過去7シーズン連続で国内無冠となっている鹿島アントラーズの再建を託されたランコ・ポポヴィッチ監督。これまで大分トリニータ、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪と国内4クラブで指揮を執っていた。2023年はセルビア1部FKヴォイヴォディナを率いていたが、鹿島からのオファーを受けて日本に戻ることを決めた。

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 そのポポヴィッチ監督が率いる鹿島は3月17日のJ1リーグ第4節川崎フロンターレ戦に2-1で勝利。川崎を相手のJ1での勝利は、実に9年ぶりのことだった。試合後、ミックスゾーンで取材に応じたポポヴィッチ監督は、名門の鹿島からオファーを受けた時のことを「サプライズだった」と明かした。

「サプライズだった。少しばかりね。このタイミングでオファーが来るとは思っていなかった。でも、ここに来ることができてとても嬉しいよ。ファンタスティックな仕事だった。ヴォイヴォディナもセルビアでトップクラブだった。歴史のあるね。でも、会長と話をした。私たちの関係性は良かったからね。会長は『ノーとは言えないが、私たちはあなたが必要だ』と言ってくれた。でも私は『会長、私は行かないといけない。鹿島は日本だけでなく、アジアでも史上最高のクラブの1つです。クラブの中にいる人たちとの関係性もあります』と伝え、オファーを受け入れてもらったんだ」

 ポポヴィッチ監督の志向する縦に速いサッカーは、この川崎戦でも随所に見られた。だが、まだまだ完成度が高まる余地はあり、欠けているピースもある。この日、決勝ゴールを挙げたFW鈴木優磨について、「ユウマがチームにいることは、彼の最高の状態の時はアルゼンチン人ストライカーや旧ユーゴの選手がいるようなものだね。彼はすべてに勝ちたいと思っている。恐竜のようであり、日本人の魂という感じだ。そう、サムライというのが相応しいね」と語ったポポヴィッチ監督は、今シーズンまだピッチに立てていない10番であり、キャプテンと選手会長も務めているMF柴崎岳への期待値を語った。

「私たちは、ガクの復帰を待っている。信じてほしいが、私はこれまで世界最高の選手たちとも仕事をしてきた。それでも、ガクのボール捌きを見た時は、こんなになったよ」と、顎の下に手を当てると大きく口を開けて、手を一気に下げて開いた口がふさがらないほどに驚愕した様子をコミカルに表現した。

「アメージングだ。だが、まだ準備は足りない。試合勘もないし、まだ復帰へ向かっている状況だ。ただ、彼を含めてチームは本当に真摯に取り組んでくれている。あとは自信が足りていないように感じる。C大阪戦、町田戦、どの試合を振り返っても、チームは緊張してしまっているんだ。だが、今日の川崎戦のような試合は自信になる。私たちは8年間、彼らに勝てていなかったのだから、そういう相手に勝てたのは大きな意味がある。相手が何をしてくるんだろうとひるむのではなく、自分たちがやることを貫いて、相手をひるませないといけない」

 現時点で柴崎の復帰時期は未定だが、高い技術と戦術眼、経験を持つ柴崎の復帰は鹿島のレベルをもうひと段階上に持って行ってくれるはずだ。

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