浦和ドロー劇も…4ゴールをどう評価すべき? 不安定ながらも「後半3得点の意義」

4点目を決めたサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】
4点目を決めたサミュエル・グスタフソン【写真:徳原隆元】

湘南とのアウェー戦で2度のビハインドを追いついて4-4の引き分けに

 浦和レッズは3月17日のJ1第4節、湘南ベルマーレとのアウェーゲームに臨み、2度のビハインドを追いついて4-4の引き分けで終わった。不安定ながらも4得点と攻撃陣が力を見せ、今季に向けた補強が形になる試合とも言えた。

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 浦和は前半11分、今季加入のスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンの浮き球パスを受けたFW前田直輝のアシストからFW興梠慎三がゴール前に詰めて先制点を奪った。しかし、その後はチームの機能性が落ちて不安定な時間帯を過ごしながら失点を重ねた。1-2のビハインドで迎えたハーフタイムにはMF岩尾憲とFW松尾佑介の2枚替えを行ったが後半の開始1分、DFマリウス・ホイブラーテンからDF佐藤瑶大へのパスが弱く狙われると、そのまま失点につながり1-3になった。

 しかし、そこからは今季に向けオフシーズンに補強した選手たちが個の能力を見せる展開になった。まずはベルギー1部ウェステルローへの期限付き移籍から復帰した松尾が躍動。「練習ではやっていない」というセンターフォワードに入ると、スピードを生かした背後への抜け出しから最終ラインにプレッシャーをかけ、後半10分にはコーナーキックのこぼれ球を蹴り込んだ。ほかにもGK富居大樹のファインセーブで阻まれた際どいシュートも何本か放った。

 松尾は「こういう相手なら1トップもありだと思った」と話し、「あれを続けていけば入るなといういい感触がある。今までならちょっと力んで枠に入らなかった。枠に入れ続けることでGKにもプレッシャーを掛けられる。実際にあのセーブも、GKがちょっと止まっていたりすれば普通に入る。あれを続けられるかどうかが大事だと思う」と話す。

 そして、MF中島翔哉やFWチアゴ・サンタナも入った時間帯では左に回ってアシストにつながりそうなクロスもあった。両チームとも全体に組織的なプレーよりもオープンになっていった時間帯についても「それが僕が後半に入った理由でもあると思う」と話し、「今までちょっと見えなかった攻撃的な部分が出たのは、ポジティブなことだとは思う」と、今季初めての複数得点であり、昨季の6月28日に湘南を相手に記録して以来の4得点だった試合について話した。

後半の3得点はすべて新加入選手の今季初ゴール

 また、松尾と同様に今季加入の前田は後半19分に岩尾からのパスを受けると右サイドから縦に突破し、そのまま右足シュートを蹴り込んで浦和移籍後の初ゴールを決めた。体調不良により離脱期間があったために後半21分の交代になったが、出場時間の間はキレのある動きを見せて結果を残した。その後、再びリードを許すも残り10分を切ってグスタフソンがペナルティーエリア外から強烈な右足ミドルを放つと、相手に当たってゴールへ。グスタフソンも浦和での初ゴールになり、後半の3得点はすべて新加入選手の今季初ゴールだった。

 4得点した場面以外にもサンタナのヘディングシュートがゴールポストに当たった場面や、前半にはMF小泉佳穂にも2回の決定機があった。昨季はJ1最少失点ながらリーグ34試合中の12試合が無得点で終わる攻撃力に課題を残した浦和だったが、この湘南戦で見せた姿は全く違うものだ。

 どこにバランスを見つけていくかはペア・マティアス・ヘグモ監督の重要な仕事になるが、昨夏加入の中島が見せたアクセントになるプレーも含めて攻撃陣の破壊力を感じさせるゲームになったとは言えそうだ。

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