興梠慎三、先輩・小笠原満男氏超えのJ1新記録も「記憶としては超えることはできない」
第4節湘南戦で歴代新記録となるJ1で18年連続ゴールを達成
浦和レッズのFW興梠慎三が、3月17日のJ1第4節湘南ベルマーレ戦で先制ゴールを決め、歴代新記録となるJ1で18年連続ゴールを達成した。点の取り合いの末に4-4で引き分けた試合後には「個人的にそんなに貪欲な選手じゃないので、点に対しての。決められたのは決めれたらいいなぐらいの感覚でいる」と、自然体な言葉を残した。
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興梠は前半11分、MFサミュエル・グスタフソンの浮き球パスを受けたFW前田直輝のアシストからゴール前に詰めて得点。これにより、鹿島アントラーズ所属時の2007年から18年連続ゴールとなり、昨年時点で17年連続のタイ記録で並んでいたMF小笠原満男の記録を超えて単独の新記録となった。
鹿島時代の先輩選手でもある小笠原について「記録では超えたかもしれないですけど、皆さんの記憶としては超えることはできないので、ちょっとでも近づけたならすごく嬉しいですね。スピードぐらいです、勝てるのは。もう抜くことはないです、これからも」と話したが、ゴールについては今季ここまでのチームの流れ、昨季に課題だった部分を個人の記録よりも話している。
「自分のゴールが凄いとかじゃなくて、それまでの過程が、なかなか流れから取れないなかで、流れの中で点を取れたことはすごく良かった。今日の結果として4-4で引き分けたけど、自分としてものすごくでかい。同点に追いついたからでかいとかじゃなくて、4点取れる力がやっぱりあるんだと証明できたなかで、そういう意味ではすごく、去年からの積み上げで得点を重ねるっていうのがチームの課題だった。すごく悔しいけど、スッキリしてる部分もちょっとある」
昨季、マチェイ・スコルジャ監督が率いたチームで興梠は開幕2連敗の後の第3戦からしばらくスタメン出場し、チームを好転させた。当時のスコルジャ監督は興梠を「浦和の将軍と言える選手」と称したが、今季就任のペア・マティアス・ヘグモ監督も開幕2試合で勝利がなかったところ、前節の北海道コンサドーレ札幌戦から興梠をスタメン起用している。この試合後には「興梠は前半、得点もそうだしビルドアップに絡むこともできていた」と、チームの攻撃を機能させる役割についても称賛した。
すでに37歳になり現役引退に気持ちが傾いた時期があったことも話していたが、この日の試合後は「ここでキープできたのになっていうところができなくなっているのはやってて感じるし、まだちょっと何か考えながらプレーしないといけないかな、また何か違うやり方があるのかなと。昔はよくドリブルとかしていたけど年を重ねるごとにドリブルができなくなるんで、そういう意味で、ポストプレーを極めようと思って。自分なりに年を重ねていくごとにプレースタイルを変えていってるんですけど、そろそろちょっとまた何か変えないといけないかな」と、まだまだ進化を見据える言葉を残した。
これがJ1通算168ゴール目となり、18年連続ゴールの新記録だが「個人的にそんなに貪欲な選手じゃないので、点に対して。決められたらいいなぐらいの感覚でいる。運よくここまで、こうして多少出た時にチャンスがあったら決められてるだけ」と少し力の抜けた、自然体な言葉を残す。それでもAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも日本人通算最多ゴールの記録を保持するなど、万能型アタッカーであり稀代のストライカーである興梠には新たな勲章が加わった。