新生・浦和の改善点は「切り替えの瞬間」 ヘグモ監督が挙げた「脅威を作る」ポイント
攻撃にフォーカスしたシーズンは開幕3試合で2得点と停滞
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は3月15日のトレーニング後に定例の記者会見を行い、「改善点だと思っているのは切り替えの瞬間」と、17日のJ1リーグ第4節湘南ベルマーレ戦に向けて今週に取り組んだテーマについて話した。
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浦和はヘグモ監督の就任で今季から4-3-3システムを導入し、昨季のJ1最少失点だった守備面よりも攻撃的な要素にフォーカスしていくべくモデルチェンジのニュアンスが強いシーズンになっている。ただし、開幕からの3試合で2得点、DFアレクサンダー・ショルツのPKと、セットプレーからDF酒井宏樹が決めたものにとどまっている。
決定機と呼べるチャンスがないわけではないが、指揮官は「チームでさらに良くしていかなければいけないのは攻撃。チャンスを作ってさらにゴールを決めること。今週はそこに力を入れている」と話した。
浦和は今季の3試合で、サンフレッチェ広島と北海道コンサドーレ札幌といった人数を合わせたプレスにより、浦和の前線と相手の後方が同数になるリスクを背負うクラブを相手には、多くの決定機を作った。しかし、4-4-2で堅いゾーンを組んだ東京ヴェルディ戦はチャンスをほとんど作れなかった。湘南について「非常にまとまっている。4バックと3バックの両方でプレーしているが、そのどちらに対しても準備をしている」と話すヘグモ監督だが、課題になる部分をこう話している。
「まずは、改善点だと思っているのは切り替えの瞬間。ピッチ上でボールを奪う瞬間があるが、相手がまだ整っていない間にカウンターを仕掛けることが必要だろう。同時に、複数の脅威を作らないといけない。例えば逆の動きをすること。1枚が降りたら、1枚が裏を使う。チャンスの中で落ち着いて正しい判断をすること」
前節の札幌戦では今季初めてFW興梠慎三がスタメン出場した。今季に向けて得点王の経験があるFWチアゴ・サンタナを獲得して開幕2試合はスタメン起用したが、興梠の「戦術的に非常に賢い。降りてきて自らリンクすることもできるし、裏にも抜けられる。プレスの時も戦術的な賢さがある」と指揮官が話した部分が起用の理由になったという。
一方で「チームがやりたいことと、ストライカーそれぞれの能力がある。松尾佑介は素晴らしいウイングだが、例えば彼をセンターフォワードで使えば背後を狙えるいいFWになる。チアゴはペナルティーエリア内の能力が非常に高い。あとは組み合わせの問題だろう。ストライカーが降りる時は8番かウイングが裏に抜けないといけない。常に、誰かが相手の背後で脅威にならないといけない」と話し、周囲との関係性にも触れた。
2020年代に入ってから湘南を相手にした公式戦は1敗のみと好成績を収めているが、一方で6試合もスコアレスドローの決着があるように手を焼いてきた相手とも言える。これまで不完全燃焼の感もある浦和の攻撃が機能する試合になるのかが注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)