横浜FM、数的不利も後半ハマった“4-3-2”システム MF渡辺皓太のハードワーク奮闘の功績
10人の時間帯を乗り越えられた理由を渡辺が明かす
アジアのクラブナンバーワンを決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)は3月13日に準々決勝の第2戦が行われ、横浜F・マリノスは山東泰山(中国)相手に2戦合計3-1で突破を決め、準決勝へと進出。MF渡辺皓太は、10人の時間帯を乗り越えられた理由として4-3-2に整理したことを挙げた。
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横浜FMは敵地での初戦を2-1で勝利して第2戦のホームに戻った。アウェーゴールのルールは廃止されているため、横浜FMはスコアに関係なく引き分け以上で突破。1点ビハインドで90分を終えれば延長戦、2点差以上で敗れると敗退というスタートになった。
横浜FMは前半40分過ぎにはFWヤン・マテウスが負傷し、担架で運び出されてFW宮市亮と交代に。さらに後半2分、敵陣深くでボールをキープしたDF永戸勝也が味方へのパスを模索するなか、相手選手に足下からボールを奪われると、ノールックでパスを出そうとした足が止まらずにそのまま相手選手を踏みつける形に。これが前半に続くこの試合2枚目のイエローカードと判定され、退場処分になった。
ここでハリー・キューウェル監督は5分ほどかけて交代策を決断し、DF渡邊泰基とMF山根陸を入れて、スピードのあるFWアンデルソン・ロペスと宮市を前に置く4-3-2へとシフトした。試合後に「慌ててしまうのが良くないと思った。確実な判断をしようと思った。1分、2分と考えて、最後のところで守備をフレッシュにしようと思ってあのようにした。慌てていたら1人の交代にとどめて違ったことになったと思う」と話し、「相手がくるなら背後のスペース、前への抜け出しを狙いたいと思った。その構造は変えたくなかった」と狙いについてコメントした。
渡辺は10人になった当初で4-4-1にした時点ではダブルボランチの一角のようになったが、4-3-2にした後は3ボランチの左になった。そこで縦横無尽のハードワークを見せたが「真ん中とサイドの両方を自分が見る形にしてハッキリした。その後も中で4-4-1に戻した方が良いんじゃないかという話もあったけど、戻さない方が良いと話した」と話す。山東の攻撃に対して3枚で中央を固め、サイドに誘導した後にそのままスライドしていって2枚で守る形が機能した。
キューウェル監督も「カバーリングの能力などで渡辺は素晴らしいプレーをしてくれた。彼だけでなく、喜田(拓也)も前後左右に助け合っていたし、ほかの選手全員で補っていく姿勢は素晴らしかった」と話し、そのハードワークを称えた。
横浜FMはカウンターからA・ロペスが値千金のゴールを奪い、最終的には相手に退場者も出る展開を突破。蔚山現代(韓国)と対戦する準決勝へと進出した。渡辺は「ACLは普通じゃ終わらない。90分諦めず、相手より戦う。アジアを取らないといけないチームだと思っている。次の相手にも結果が大事なので、それまでの試合で完成度を高めたい」と決意を込めていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)