「目の色が違う」 日本代表、13年前の平壌ゲーム出場OBが語る北朝鮮の“不気味さ”【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】情報が少なく「スカウティングは難しい」
森保一監督率いる日本代表は3月14日、21日(ホーム/国立競技場)と26日(アウェー/金日成競技場)に開催される北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮との2連戦に向けたメンバー発表を行う。26日のアウェーゲームは予定通り平壌で開催されるという通達を受けたと日本サッカー協会(JFA)が発表。北朝鮮と対戦経験を持つ元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「北朝鮮の国内組は全くの未知」と当時の経験を基に語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
◇ ◇ ◇
昨年11月のW杯アジア2次予選でミャンマー、シリア相手にともに5-0で快勝した日本は、年明けにカタールで開催されたアジアカップで無念のベスト8敗退。W杯予選が3月から再開するなかで、いきなり“未知”の北朝鮮との2連戦となる。
JFAは3月11日、アジアサッカー連盟(AFC)からアウェーゲームを平壌(金日成競技場)にて予定通り現地時間3月26日17時キックオフで開催すると通達を受けたことを発表。日本代表が平壌で試合するのは2011年11月15日のブラジルW杯アジア3次予選(0-1)以来、13年ぶりとなる。
当時の試合に出場していた日本代表OB栗原氏は、「当時の北朝鮮は強くて、普通に力負けしたこともあった。人工芝の難しさもあるし、侮れない相手だと思います」と語る。
「フィジカルもメンタルも強くて、目の色が違う。特に、北朝鮮の国内組は全くの未知。鄭大世を含めて海外でプレーしている選手の特徴は分かったんですが、スカウティングという意味では難しかった試合でした」
栗原氏が印象に残っている選手に挙げたのが、当時19歳で10番を背負っていた身長188センチのFWパク・クァンリョンだ。
「(スイス1部)バーゼルでもプレーした10番の選手(パク・クァンリョン)は、サッカー人生において、ヘディングの競り合いで一番強かったです。それを言ったらネット上で厳しい声を浴びましたけど、それまで(競り合いで)勝てないと思う選手がいなかったのでびっくりしました。角度やタイミングを工夫しても勝てなかった。そういう選手がいたりするので、心してかからないといけません」
31歳となったパク・クァンリョンは、昨年11月のW杯アジア2次予選にも途中出場しており、彼を抑えてスタメンで出場している面々にも警戒が必要だろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。