PK獲得のパリ五輪世代DFが飛躍のシーズンへ「出たら何かできる自信はあった」
大畑が同点ゴールにつながるPKを獲得
浦和レッズは3月3日のJ1リーグ第2節で東京ヴェルディと対戦し、1-1で引き分けた。敗色濃厚なラスト数分間で同点ゴールにつながるPKを獲得したのが、パリ五輪世代のDF大畑歩夢。試合後には「後ろ向きなプレーをなくして、しっかりと前に、逆転できるように」という思いでプレーしていたと話した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
浦和は前半終了間際に先制を許したが、それ以上に攻撃の部分でチャンスを作れないことが停滞感を生んだ。そのなかでペア・マティアス・ヘグモ監督は後半16分に3枚替えを決断。そこでFW興梠慎三、MF岩尾憲、大畑がピッチに送り込まれた。その直後には大畑から興梠に縦パスが通る場面もあり、活性化は感じられた。試合後に大畑は「3人同時の投入が大きかった」として、「もちろん試合に出たら何か残そうと、試合を見ながら思っていた」と話す。
後半42分には、その後に投入されたMF中島翔哉のシュートが相手に当たったこぼれ球が大畑のところに。GKと1対1のビッグチャンスだったがセーブされた。浦和にとってこの試合で初の決定機がようやく生まれた直後、中島のクロスが相手に当たったこぼれ球に反応した大畑が倒されてPKに。これをDFアレクサンダー・ショルツが決め、1-1の引き分けに持ち込んだ。開幕2連敗をギリギリのところで免れた。
大畑は2月23日のサンフレッチェ広島戦でも途中出場して良いプレーを見せ、ヘグモ監督も試合後会見で「(大畑)歩夢が練習で非常に好調だった」と話した。大畑自身も東京V戦後に「練習から自分自身、身体が動いているなというのがあったので、出たら何かできる、残せるという自信はあった」とコメントした。
パリ五輪世代の大畑が置かれた難しい状況とは?
今季の浦和は、昨季に大畑を含む3人の左利きサイドバック(SB)がいたところからDF明本考浩とDF荻原拓也が海外移籍。FC岐阜からベテランDF宇賀神友弥が浦和に復帰した。一方で、プレシーズンにはFC東京から加入のMF渡邊凌磨が左SBに回ってきてレギュラー争いに加わり、開幕戦、東京V戦とスタメン出場した。
大畑は今年のパリ五輪を目指す世代であり、浦和のチーム事情とすれば、大畑が活躍すれば代表入りが有力になり4月から5月の最終予選と、7月から8月の本大会で不在になることから、左SBに違う選手のめどを付けないといけない。一方で、大畑が良いプレーをできなければ違う選手のめどを付けなければいけないということで、いずれにしてもシーズン最初の段階で大畑には難しい状況があったという見方はできる。
とはいえ、渡邊のプレーは左SBとして起用に問題がないと判断され得るものであり、本職の左利きSBとして大畑の存在感が強まりそうな気配はある。パリ五輪を目指すU-23日本代表の大岩剛監督が視察に訪れていたことは「試合後に知った」という大畑だが、「勝ち点0から1にできたのは選手の自信、次の試合につなげていける」と話した。浦和に移籍して3シーズン目、自身の大きな目標になっている五輪のシーズンに飛躍する姿を見せたい。