紡いだJリーグの歴史、親から子へ―水沼宏太が感銘「同じような状況でピッチに立てた」
父貴史氏も「DAZN」の解説で来場
横浜F・マリノスは2月25日にJ1リーグの開幕戦で東京ヴェルディと国立競技場で対戦。0-1のビハインドで試合終盤を迎える中、後半44分からの連続ゴールで2-1の逆転勝ちを収めた。31シーズン前のオープニングゲームと同じカードで、父の水沼貴史氏が出場していた横浜FMのMF水沼宏太は「若い世代で応援してくれている方にしても、こういう歴史があったんだと思ってもらえるような演出だったと思う」と話した。
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東京Vは昨季のJ1参入プレーオフを勝ち抜いて昇格。2008年以来のJ1での戦いに臨むが、その開幕戦の相手が横浜FMになった。これは、互いに前名称のヴェルディ川崎と横浜マリノスとして1993年5月15日にJリーグ創設のオープニングマッチとして行われたカードが31年ぶりにリーグ初戦で顔を合わせるものになった。
この試合は前半7分に東京VのMF山田楓喜が鮮やかなフリーキックを決めて先制したが、後半44分に横浜FMはFWアンデルソン・ロペスが同点のPKを決め、さらにDF松原健が決勝ゴールを奪った。31シーズン前の開幕戦もヴェルディが先制し、マリノスが後半に逆転しての勝利だった。
後半途中までプレーした水沼は「ピッチコンディションもあったけど、相手がすごく分析してきた印象だった。僕らのビルドアップでもたもたしながらつないだ感じもあった。サイドに入った時にはハメられた状態でボールが来た。前半はなかなか改善できず試合が流れてしまった。うまくプレッシャーをかけられるとビルドアップではがせないところもある。自分たちでやるべきことがあると思う」と内容には満足していなかった。
93年の開幕戦でマリノスの一員としてスタメン出場していた父の貴史氏は、スポーツチャンネル「DAZN」の解説でスタジアムを訪れていた。初代チェアマンの川淵三郎氏が試合前にスピーチを行うなど、当時を思い出せるような演出もあった。水沼は「(父と)同じような状況でピッチに立てたのは良かったと思うし、同じスコアで終われたのも面白いなと思いますけど、自分たちとしてはしっかり勝ち切りたかった。もっと圧倒したかったし、もっと自分のプレーを表現できたら良かったので、感慨深さもあるし、悔しさもあった」と振り返る。
そして、こうした演出について水沼は「昔のJリーグから応援してくれている方、支えてくれている方には思い出せることもあると思う。当時を知らない、若い世代で応援してくれている方にしても、こういう歴史があったんだと思ってもらえるような演出だったと思う。僕自身も取り上げてもらえて、父が最初の試合に出ていたことも知ってもらえるのも嬉しい気持ちもあるし、勝てたのも良かったと思う」と話した。
また、水沼は「たくさんの歴史をつないでくださった方に感謝したいし、自分たちがプロとしてピッチでプレーできていることに感謝しながら、これからの世代につないでいく。15年、30年後にJリーグがもっとより良いリーグ、世界に誇れるリーグになっていけるような、今日はその歴史の一部になれたと思う」と、その先への思いも残してスタジアムを後にした。