昨季王者・神戸を止める方法は? 日本代表OBが説く“大迫潰し”への推奨プラン
内田氏は大迫勇也へのボールを阻止する必要性を説明
元日本代表DF内田篤人氏がMCを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の「内田篤人のFOOTBALL TIME」に、MF中村憲剛氏がゲスト出演。S級ライセンス取得の同期だった2人が、昨シーズンのJ1王者になったヴィッセル神戸を止める方法について語り合った。
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2023年シーズンのJリーグで、創設29年目で悲願の初優勝を遂げた神戸。シーズン22得点を挙げてシーズンMVP、得点王、ベストイレブンと個人賞を総なめにしたFW大迫勇也を中心に戦い、見事にタイトルを獲得した。
S級ライセンスの国内講習を終えた2人だが、内田氏は「昨シーズンの得点王は大迫だったので、彼がこれと同じくらい点を取れたら、優勝争いはすると思います。大迫をどう止めるか」と、エースへの対応をポイントに挙げた。中村氏も「もちろん昨シーズンも、マークされる存在だったじゃないですか。言ったら(欧州から)帰ってきてから。それでもあれだけ点を取ってるわけですからね」と言うと、内田氏は「やっぱりすげーんだよな」と神戸対策に頭を巡らせた。
そして、内田氏は「俺はチームにあまり無駄走りをさせたくない。あまり前から行かないチーム作りをしたい」と、自身の理想とするチーム作りについて語り出した。「前からガンガンとプレスをかけるわけではなく、ちゃんと中盤で構えたい。落ち着いてサッカーをしたいかも。相手どうこうはあまりない。『知らん。神戸なんて』っていう姿勢でいく」と言うと、中村氏は「なるほどね。あまり意識しすぎないのね」と理解した。
内田氏は「準備はするけれど、まず自分たちでやってみて、2周目じゃない。今の神戸、俺もやったことがないし」と、初戦では自分たちのスタイルをぶつけてみて、2度目の対戦の際にはより相手に応じた戦い方をしたいと語った。
そして、改めて「(警戒が必要なのは)大迫だけど、大迫に出てくる前に潰したい。中盤とか、前のDFラインくらいから、ちょっとプレッシャーをかけて」と言うと、中村氏は「けど、あまり前からいかないって言ってたじゃん」と指摘。内田氏は「そう。だから、ボールにプレッシャーは行くけど、前から『ワー』って行く感じはあまり好きじゃない」と言い、中村氏に「そもそも自分のサッカーのプレーモデルとして、前線からのプレッシングにそこまで激しくいかない?」と聞かれると、前線からのプレッシングを好まない理由について「そもそも俺がビルドアップ側だったら、来てくれたほうがラッキーだったから」と内田氏は説明した。
中村氏は昨季からの上積みを要求「昨年の戦い方だけで勝てるほど甘いリーグではない」
この返答に中村氏は「そういう選手でしたね、内田はそういう選手でした。それがむしろスイッチになって、ひっくり返すのが得意ないい選手でしたから」と納得していた。
これに対して中村氏は「基本的にいい守備からいい攻撃をしたいチームなので。自分たちが、ボールをここら辺(相手のアタッキングサード)で握ってスタートすると、上手く前からプレスをハメ込んでくるチームであるので、逆にボールを持たせるのは1つの手かもしれないというのは、昨シーズンを見ていて思いました。別に持つのが苦手なわけではないのですが、相手陣地でビルドアップを引っかけることを得意とするチームなので。来たら割り切って背後にボールを送り、相手陣地でサッカーをしたい。自陣での不用意なボールロストを一番、大迫を含めて狙っているチーム。取ったボールを大迫にすっと入れてゴールが基本的にやりたいことだと思うので、持たせるのはありかなと感じています。もちろん、それはストレスもかかることですけど」と、神戸の前プレからのショートカウンターを最大限警戒する戦い方を示唆した。
今シーズンは、すべてのチームが王者神戸を警戒して戦ってくるだろう。かつて連覇を狙う立場でシーズンを戦った経験のある2人は、その難しさにも言及した。中村氏は「包囲網はあると思う。やっぱり連覇を目指すチームには、勝たせないっていう強い気持ちでくる」と言うと、内田氏も「追われるほうが難しいですよね」と言い、中村氏は「うん。僕も連覇したシーズンを経験しましたが、相手は並々ならぬ気迫で、すごく研究してくるので、自分たちがバージョンアップしないと置いて行かれてしまうような。昨年の戦い方だけで勝てるほど、甘いリーグではない」と、神戸が連覇するためには、バージョンアップが必要であることも示唆した。
神戸は2月24日の開幕戦でJ1昇格を果たしたジュビロ磐田と対戦する。カタール・ワールドカップ(W杯)まで森保ジャパンを支えていた横内昭展監督が、どのような対策を立ててくるかが注目になる。
(FOOTBALL ZONE編集部)