5大リーグと比較、Jリーグ“最大の欠点”がデータで明らか 「プレス耐性」で世界と差
欧州5大リーグに比べ「多くのプレスを受け、最も簡単にボールを失うリーグ」
2024年のJリーグの開幕が今週末に迫ったが、Jリーグは昨季の詳細データ「J STATS REPORT 2023」を公開している。欧州の5大リーグと比較したデータでは、Jリーグの明確な弱点が明らかになっている。
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昨季のJ1はヴィッセル神戸が史上初のリーグ優勝を果たし、横浜F・マリノスが2位に続いた。全体的なトレンドとして「デュエル」というワードもあり、強度を高めてボールを奪い素早く攻める戦術がリーグの中で流行し、神戸もまたそうした路線で頂点に立った。
今回のデータでは、その傾向とJリーグの弱点とも言える部分が明らかになっている。イングランド・プレミアリーグ、ドイツ1部ブンデスリーガ、イタリア・セリエA、フランス1部、スペイン1部の欧州5大リーグとJリーグによる「プレス耐性」を上位4チームの平均値として算出すると、Jリーグが明らかに低い数値になった。
Jリーグのボール保持30分間で1人の選手がプレスを受ける回数に換算した数値は「35.5」で、プレミアリーグの「35.8」に次いで2番目となり、上位4チームに対しても厳しいプレスで対抗するチームの多さが数値に表れている。一方で、そこでのボールロスト率は24.9%で最も高い数値となった。これは、この6リーグの中では「多くのプレスを受け、最も簡単にボールを失うリーグ」ということになるだろう。
一方でプレミアリーグのボールロスト率は19.8%で、スペイン1部とフランス1部の19.3%に次いで低かった。つまり、「プレスを受けながらも、なかなかボールを失わない」という意味で、ボール保持のレベルの高さを示すものだと言える。Jリーグに次いでボールロスト率が高かったのはブンデスリーガの被プレス数値「34.4」に対する22.7%だった。
これに伴い、上位4チームの1試合あたりボール保持平均時間は26.2分で、他のリーグに3分から5分の差をつけられた圧倒的な最低値。さらに下位4チームが24.0分を記録しているため差は2.2分であり、その他の5大リーグが5分から7分の差がついているのに対して全く違う傾向のものになった。全体にボール保持の能力が低いことに加え、リーグ内で上位と下位の力が拮抗しているという見方もできるだろう。
ボールロストから速攻が発動する場面はサッカーの中でもスリリングな瞬間であり、観客へエンターテインメントを提供するものの1つだが、日本サッカー全体のレベルアップという観点で見れば取り組むべき課題は明らかだと言えそうだ。