元なでしこ戦士が感じた北朝鮮女子の“圧” 国立ピッチで「ガツガツ来た」「欧米選手と違う」感覚

荒川恵理子が北朝鮮との対戦を回想【写真:Getty Images】
荒川恵理子が北朝鮮との対戦を回想【写真:Getty Images】

元なでしこFW荒川恵理子、アテネ五輪のアジア予選・北朝鮮戦を回想

 なでしこジャパンは今夏に開催されるパリ五輪のアジア最終予選で北朝鮮と対戦する。この大一番に向け、20年前のアテネ五輪のアジア予選で北朝鮮と戦った経験を持つFW荒川恵理子(ちふれASエルフェン埼玉)がオンライン会見を実施。「オリンピックが決まるか決まらないかの一戦なので、緊張感のある試合が見れると思う」と自身の経験を基に語った。

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 パリ五輪の女子サッカー競技でアジアからの出場枠は「2」。なでしこはその1枠を懸けて北朝鮮と激突。ホーム・アンド・アウェー方式の2試合合計スコアで勝者がパリ行きの切符を手にする。

 ホームの第2戦(28日)の会場は国立競技場。20年前のアテネ五輪のアジア予選でも日本は北朝鮮を国立競技場に迎え、3-0で勝利して本大会出場を決めた。その試合で先制ゴールを決めたのが荒川だった。

“ボンバー”の愛称で知られるストライカーは「2000年のシドニーを逃してから、女子サッカー、当時のLリーグは企業が撤退してチームがなくなったり、縮小していたのを覚えている。女子サッカー自体がどうなるか分からないという状況だとみんな認識していた。北朝鮮戦は今までに味わったことのない緊張感というかプレッシャーがあった」と当時を振り返った。

 そうした状況で迎えた北朝鮮では、国立競技場に3万人の大観衆が集まり、スタンドを青く染めた。「あんな大勢の前でやることは、女子サッカーの中ではなかった。入場の時に、サポーターのみんながいてくれたことで、なんとも言えない気持ちになった」という。「オリンピックが決まるか決まらないかの一戦なので、緊張感のある試合が見れると思う。国立を一杯にして、日本にエールを送りたい。だから皆さん来てください」とサポーターに応援を呼びかけた。

 北朝鮮の印象は「ガツガツ来た。欧米の選手とは違うような、鋭さがある」。第1戦(24日)は中立地での開催となり、試合3日前の21日にサウジアラビアのジッダで行われることが正式に決まる異例の展開に。荒川は「海外の子たちは集合して、すぐ試合みたいな感じ。そのなかで勝たなきゃいけないというのは難しいと思うんですけど、その中でベストを尽くしてほしい。それだけです」と厳しい環境の中で戦う後輩たちへエールを送った。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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