横浜FM新監督がプレシーズンから貫いた“信念”…劇的白星の訳「違う戦いになると理解」
ACLで準々決勝進出が決定
横浜F・マリノスは、アジアナンバーワンクラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)は決勝トーナメント1回戦、バンコク・ユナイテッド(タイ)との第2戦を2月21日に戦い、延長戦の末に1-0で勝利した。ハリー・キューウェル監督は「プッシュし続けた結果、点を取って進むことができた。最後までやる姿勢を選手たちは見せてくれた」と話した。
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今回からACLは完全な秋春制に移行。横浜FMは昨年9月に開幕したグループリーグで4勝2分。勝ち点12で3チームが並ぶ大混戦ながら首位通過し、日本でのシーズンをまたぐ形になる決勝トーナメントへ進出。現役時代にオーストラリア代表で名サイドアタッカーとして活躍したキューウェル新監督が就任しての初戦は、敵地で2-2の引き分けだった。
そしてホームでの第2戦は、攻め込む時間が長かったものの相手の守備に手を焼いた。90分の間にゴールを奪えずに延長戦に入ったが、その後半も終了間際に右サイドから途中出場のFW村上悠緋が切り込んで中央へラストパス。これを相手選手がスライディングでクリアしようとしたが、ボールは腕に当たりハンドの反則になった。当初はペナルティーエリア外のファウルと主審が判定していたが、反則はペナルティーエリア内だったというVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)オンリーレビューでPKに判定が変更。これをFWアンデルソン・ロペスが蹴り込み、劇的な決勝ゴールで1-0の勝利を収めた。
試合後のキューウェル監督は記者会見で「まず、この大会で次に進むのは簡単ではない。バンコク・ユナイテッドは本当に最後の最後まで戦ってきた。簡単にやらせてはもらえなかったが、たくさんさんのチャンスを作った。ラストパスの部分で不正確な部分が出てしまった。プッシュし続けた結果、点を取って進むことができた。最後までやる姿勢を選手たちは見せてくれた」と、突破を振り返った。
昨季にケビン・マスカット監督の指揮下でグループリーグを突破していた。それだけに「前任のマスカット監督がいい形で受け渡してくれたと思う。簡単ではないACLでラウンド16から公式戦が始まると理解していたし、簡単ではない。普段のリーグ、国内のカップ戦とは違う戦いになると理解していた」と話すキューウェル監督だが、その信念はトレーニングにあるという。
「プレシーズンからの準備、まだまだ成長しなければいけない部分はあるが、今日まで非常にいい準備をしてくれた。練習でできないことは試合で出せないと思っている。試合内容を見て、しっかり支配しなければいけない部分は練習でやっていること。練習でどれだけできるかを大事にしている。クラブで最高の瞬間を得るには簡単な道はない。しっかり楽しんで笑顔でやっていくために、今週末には開幕戦もあるがいい準備をしていきたい」
横浜FMはこれで準々決勝へ進出し、グループリーグでも対戦した山東泰山(中国)と対戦する。その前に、まずは25日にリーグ開幕戦で東京ヴェルディと対戦するが、激闘の末の勝利がチームに勢いを与えるのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)