11人“全入れ替え” 昨季J1王者に勝利の訳 川崎監督が言及「必ずターンオーバーではない」
富士フイルム杯の勝利を足掛かりに今季の過密日程を問う
日本サッカーのシーズン幕開けを告げる、昨季のJ1王者ヴィッセル神戸と天皇杯王者の川崎フロンターレが対戦する富士フイルムスーパーカップが2月17日に国立競技場で行われ、川崎が新加入DFファンウェルメスケルケン際の決勝ゴールにより1-0で勝利した。鬼木達監督は試合後の会見で「頼もしい選手が増えた、評価できる勝利じゃないかと思う」と話した。
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川崎は13日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦の初戦で山東泰山(中国)とアウェーで戦い公式戦が始まっている。前日会見で鬼木達監督が言及していたように、神戸戦はスタメン11人すべてを変更して臨んだ。
川崎は後半3分、MF山口蛍のクリアに詰めた川崎DFファンウェルメスケルケン際がブロックしたボールがそのままゴールへ吸い込まれ先制した。最後までこの1点を守り切った川崎は、スーパー杯で3回目の優勝を果たした。
試合後の記者会見で鬼木監督は「ACLから帰ってなかなか厳しいコンディションでも昨日の練習でも雰囲気よく自信を持ってピッチに立ってくれた。集中力を切らさずにいい声を掛け合っていた。頼もしい選手が増えた、評価できる勝利じゃないかと思う」と、大幅なターンオーバーを敢行したなかで勝利に対して喜びの声を残した。
昨年、天皇杯で優勝を決めたのが12月9日だった。すでにACLではグループリーグの突破を決め、この富士フイルム杯が2戦合計方式で争うトーナメントの中間地点になる週末に入ることは、オフに入る前から分かっていた。
そうしたなかで沖縄県でのトレーニングキャンプなどで進めてきた準備について、鬼木監督は「チームの底上げという意味では、多くの選手を戦いの場に準備をさせないといけないという思いはあった。ただ、日程が決まっていても最初からメンバーをフルで変えると想像していたわけではなく、怪我人のこともあるのであまり事前に考えず、フラットに見ながら大会には挑んだ。ただ、この何日間を見ているなかで、大幅に変えてもある程度計算は立つだろうというのがあり、サブメンバーのことも自信を持って送り出すことができた」と、あくまでもチーム力に自信を持ったターンオーバーができたと話す。
今季は昨秋に開幕したACLの決勝トーナメントが日本のシーズン前半戦、9月に開幕するACLエリートの戦いが後半戦に並行するため、国内のカップ戦も合わせて試合数が多くなることが見込まれる。その予行演習とも言えたこの富士フイルム杯での勝利だったが、指揮官は「過密日程もあるが、自分自身の中で基準を落とさずに戦いたい。過密日程だから必ずターンオーバーではなく、戦える、走れる、勝ちに持っていけるを前提に選びたい」と、メンバーを入れ替えることが前提にならないようにマネジメントする意向を示した。
来週のリーグ開幕戦がポイントになる神戸と、13日に際どい勝負をできる状態に仕上げてきていた川崎との違いはあるものの、厳しく長いシーズンを戦う準備段階の順調さを示す勝利になった。