ACLとの連戦の川崎、鬼木監督はスーパー杯のターンオーバー明言「大幅に考えている」
ACLとの兼ね合いでハードな連戦に
昨季のJ1王者ヴィッセル神戸と天皇杯王者の川崎フロンターレが対戦する富士フイルムスーパーカップに向けた前日会見が2月16日に行われ、川崎の鬼木達監督はターンオーバー起用について「今回は大幅に考えている」と、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)との兼ね合いについて話した。
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川崎は昨季の天皇杯を優勝してこの試合に臨むが、発表された2月17日という日程はACL決勝トーナメント1回戦で山東泰山(中国)と2戦合計方式で戦うアウェーゲームとホームゲームのちょうど真ん中にある週末だった。2023-24から秋春制に完全移行したACLと、現時点で春秋制のJリーグにおけるカレンダーのねじれが表面化した要素の1つになり、川崎は13日に今季の公式戦初戦となるゲームで中国遠征に臨んで3-2の勝利を収めたが、ホームでの第2戦は20日に行われる。
鬼木監督は今大会について「Jリーグの開幕に向けて1週間、それにふさわしいゲームをしたい」と前提を話したが、ターンオーバー起用について「自分たちはもうACLで公式戦が始まっているが、一戦必勝で戦うのは変わらない。連戦になっていくので、今シーズンの戦い方をできればいいと思う。今回は大幅に考えている。ACLの戦いの中で移動もハードであれば、内容もハード。ケアしなければいけない選手が出てきている。スタートから総力戦になっていると思う。それも踏まえ、ゲームに臨んでいければ」と話し、かなりのスタメン変更があると示唆した。
このカレンダーについて指揮官は、「連戦になるが、多くの選手が今シーズンこういう日程で戦わなければいけないので、それがスタートから真剣勝負の場で戦えるのがメリットになる。ただ、裏返しになるけどスーパーカップのあとも中2日で試合があり、その後にもJリーグがある。開幕前に3連戦ということなので、自分たちでコントロールしないとケガにもつながる。その見極めは慎重にやらないといけない」と、功罪両面についてコメントしていた。
今季に向けたプレシーズンはFWレアンドロ・ダミアンやDF山根視来ら昨季までの主力も含め退団選手が多いが、ブラジル人FWエリソンやJ1の各クラブで主力級だった選手、オランダでプレーしていたDFファンウェルメスケルケン際らが加入。全体的に選手の入れ替わりが大きくなった。
それだけに鬼木監督は「キャンプをとおしてもベースの部分。1つ1つ進化させていきたい気持ちもあるけど、ベースをおろそかにできない。そこに重きを置いたなかで、山東戦で新しい選手も活躍してくれた。自分自身も公式戦で新しい選手がどういう形で自分を出せるのか見たい、確認したい気持ちがある。まずは個を出してもらって、それをチームに還元できるように見極めていきたい」と、真剣勝負の場ではありながらシーズン全体を見据えた要素のある試合になると話している。
この大会での川崎は19年と21年に2回勝利してタイトルを獲得しているが、18年と22年には敗れている。ターンオーバー起用が示唆されているメンバーで”勝ち越し”となる3回目の優勝を果たすことができれば、新シーズンへの展望は明るく開けることになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)