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執念の劇的同点弾 リバプールを救った血だらけの救世主
赤く染まるシュクルテルの叫び
その男の雄たけびに呼応するように、静まり返っていたスタジアムは割れんばかりの歓声に包まれた。
試合終了まで残り1分に差し掛かった時、「今日もか」とため息をついて荷造りを始めたサポーターも多かっただろう。ロスタイムは8分を経過し、ベンチのブレンダン・ロジャーズ監督の表情からも戦意が失われかけていた。
この試合最後のCK。ピッチで誰よりも高い場所にいた男は、久しく鳴りを潜めていた豪快なヘディングでMFアダム・ララーナのクロスをゴールにたたき込んだ。
さっきまでうつろな表情を浮かべていた指揮官は固く握った拳を天に掲げる。ゴール裏は歓喜に湧き、スタジアムには「シュクルテル」のチャントが響き渡った。
リバプールは21日、プレミアリーグ第17節でアーセナルを本拠地アンフィールドに迎えていた。この日は幸先良く先制点を挙げるも、後半立て続けに2失点。敗戦濃厚の中、DFマルティン・シュクルテルがチームを救ったのだ。試合終了間際に起死回生の同点弾を決めて勝ち点1をもぎ取った。
だが、この日のシュクルテルは貴重な同点弾を決めるまで散々な一日だった。前半ロスタイムに相手DFマテュー・ドュビュシーに競り負けて同点ゴールを許すと、後半19分にはFWオリビエ・ジルーを見失ってフリーで逆転ゴールを決められてしまう。
さらに、この試合の後半6分、ジルーに頭部を踏まれて出血するアクシデントにも見舞われていた。緊急を要するほどの治療のため、試合は7、8分ほど中断。それでもベンチにセンターバックの控えが不在だったため、止血後、再びピッチに戻ってプレーした。
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