ベルギー挑戦の18歳FWは「磐田の財産」 元日本代表10番が1年でのステップアップに太鼓判
【カメラマンの目】アンデルレヒトに期限付き移籍の後藤は近い将来欧州で活躍か
J1に昇格したジュビロ磐田でスポーツダイレクターを務める元日本代表MF藤田俊哉氏は、今年1月にヨーロッパを訪れていたという。その目的の1つにベルギー1部アンデルレヒトに所属する18歳FW後藤啓介の視察があった。
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後藤は昨年11月に磐田からアンデルレヒトへ期限付き移籍。練習を見学し、クラブ幹部とも話をした藤田氏はこの若き日本人アタッカーを「練習はトップチームで行い、できるだけ早くそのトップチームに上がるため、試合はヤングチームに出場する形で経験を積んでいる」状況だと説明してくれた。
藤田氏が言う「ヤングチーム」とは、アンデルレヒトのセカンドチームとなるRSCAフューチャーズである。藤田氏は話す。
「(後藤は)タフな子だから大丈夫だとは思うが、ただまだ18歳だし、ヨーロッパの選手がほかのヨーロッパの国のチームに行くのと、日本人が海外に出るのとでは感覚が違うから、食事面や生活面はサポートをしてあげないといけない。それに期限付き移籍なので、大事な磐田の財産として、そこはしっかりとサポートをしていきたい」
藤田氏の後藤への評価はかなり高いように感じた。後藤は2、3年で頭角を現すことができるレベルにあるのかと聞くと、「いや、上手くいけば1年ちょっとで次のステージに乗せられる」と言う。
藤田氏自身もオランダのユトレヒトでプレーし、現役引退後もヨーロッパでの生活が長い。この現代のサッカーシーンをリードするヨーロッパの舞台に精通している。その藤田氏の見立てどおりならそれほど遠くない将来に、ヨーロッパの一線級の舞台で後藤が活躍する姿を見られるかもしれない。
では、現在ヨーロッパでプレーしている日本人選手は、藤田氏の目にどう映っているのか。
オランダ1部フェィエノールトに所属するFW上田綺世は「(アジアカップの活躍で代表では)覚醒したと思う。反転してシュートなど、試合で特徴や力強さが出せるようになっている。しかし、フィジカルで勝負するとヨーロッパにはもっと凄い選手がいるので、(フェイエノールトでは)しなやかさやスヒードで勝負するのもいいかなと思う」と上田を評した。
さらにアジアカップでは奮わなかったが、所属クラブのAZアルクマールで存在感を発揮しているDF菅原由勢については「AZの(高いレベルの)メンバーやトレーニング、チームのタイプを考えたら、もっと早くから高く評価されていてもいい選手」ということだった。
AZのチームレベルを尋ねてみると「若手が次のステージに上がるまでの時期のクラブとしてはレベルが高い。(そこで活躍している菅原は)次のヨーロッパのステージとなるイングランドなどでプレーできる」と評価した。
ヨーロッパシーズンは後半戦も過ぎ、助っ人として戦う日本人選手たちの評価も見えてきた。彼らのさらなる活躍に期待したい。
(徳原隆元 / Takamoto Tokuhara)
徳原隆元
とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。