鎌田大地、サッリ体制下で継続プレー困難? イタリア人記者が見解「ドイツが合っていた」【現地発】
サッリ監督の戦術面で苦戦と現地記者が分析「鎌田の移籍先はいくらでも見つかる」
イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地が、現地時間2月10日のセリエA第24節カリアリ戦で後半33分からプレー。公式戦6試合ぶりの出場を果たし、3-1の勝利に貢献した。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」(https://www.gazzetta.it/)のオリヴェーロ記者は、鎌田について「ゲームの展開を読める頭が良い選手」と称賛する一方、戦術面の適応に苦戦していると分析。移籍の可能性にも触れ「ドイツに戻るのがいい。イングランドは厳しい。スペインもいいと思う」と語っている。(取材=倉石千種)
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――カリアリ戦まで、鎌田は公式戦5試合出場なしの状況が続いていました。なぜ鎌田は起用されなかったと思いますか?
「ラツィオの中盤がどう組織されているのかを見ていると、彼のような選手は不要なのかもしれないとも思う。(マウリツィオ・)サッリ監督がどういうスタイルを目指しているのか、そのあたりをまだ十分に理解していないのかもしれない。ただそれはサッリ監督が、鎌田によく説明する必要がある。なぜならサッリは選手たちにあまり自由を与えない監督だからね」
――サッリ監督の戦術にフィットできるかどうかですね。
「鎌田は常にゴールを見ているタイプで、ゲームの展開を読める頭が良い選手だと思う。ただラツィオでは、サッリ監督の言うことを注意深く聞かなければならない。だから本能的な動きや発想は少し失われることになる。なかなかドイツ時代のスピード感が出せていない。それは単純に走りというだけでなく、ゲームの読みや頭のスピードという意味でだ。本能や感覚に従うことがラツィオで難しいから、どうしてもそこで失うものもある。監督の言うとおりにやらなければならないんだ」
――鎌田はサッリ監督の戦術面で苦しんでいると見ている?
「僕はそう思うよ。ラツィオがよりいいゲームをしたのは、鎌田がゴールを決めたナポリ戦だった(第3節、ラツィオが2-1勝利)」
――サッリ体制をベースに考えると、鎌田はラツィオでプレーし続けるのは難しい?
「僕はそう思う。(ラツィオの10番MF)ルイス・アルベルトもサッリ監督との関係で難しい状況があったからね。チームがどうしたいのかは分からない。もし鎌田が出ていきたと思えば、移籍先はいくらでも見つかると思うからね」
――鎌田が移籍するとしたらどこ?
「ドイツに戻るのがいい。イングランドはスピードがありすぎるし、フィジカルが強くないと厳しい。スペインもいいと思う。ドイツが彼に合っていたと思う」
――6試合ぶりに出場したカリアリ戦の出来は?
「そうだね。なかなかよかった。惜しいシュートもあったし、ボールを奪ったりするシーンもあった。採点だと6点、合格点だ」
倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。