浦和の右サイドで「欧州クラブと錯覚」の迫力 “ヘグモ流”とは?…酒井宏樹が語った変化
ベテラン酒井宏樹がキャンプを通じて迫力ある動きを披露
浦和レッズは沖縄県トレーニングキャンプの最終日となった2月6日にサガン鳥栖とトレーニングマッチを実施。45分3本の形式で、トータルスコア7-1とゴールラッシュを見せた。キャンプを通じて迫力ある動きを見せていたDF酒井宏樹は「守備の時もエネルギーが余った状態でプレーできる」と話した。
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酒井は2021年夏にフランス1部マルセイユを退団後に浦和へ加入。しかし、浦和直前に東京五輪を戦う厳しい日程を消化していた。そして22年はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のゲームで負傷するなどアクシデントに見舞われながらも、シーズン後にはカタール・ワールドカップ(W杯)に出場。そして昨季はキャンプ最終日の負傷が尾を引いて痛みを抱えてプレーし、11月上旬に手術を行うに至った。翌月のクラブW杯で復帰したものの、満身創痍の印象の強い浦和での2年半とも言える。
そうしたなかで、この沖縄キャンプでは順調な仕上がりを見せている。右ウイングにはFW前田直輝やノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンといった個の強さを持つ選手が加入。ペア・マティアス・ヘグモ新監督が導入している戦術も、これまでのリカルド・ロドリゲス監督やマチェイ・スコルジャ監督の時期ほどサイドバックが中央に関わることを求められていないようだ。そのため、純粋にウイングとの縦関係で右サイドでのプレーをしている感がある。
それだけに酒井は「自分のエネルギーが余るというのは、より攻撃に上がった時に質も出すこともできるし、守備の時もエネルギーが余った状態でプレーできるので、自分にとっては良いことだと思う」と話している。よりシンプルに、サイドバックとして酒井の力強い対人守備や迫力あるオーバーラップが際立っている。
この日、酒井の前の右ウイングに入った前田は「押し込まれた時に酒井選手が『俺、2枚見られるから大丈夫よ』とコミュニケーションが取れるので、そういう意味では攻め残りと言っていいか分からないけど、余力を残せる場面がある。前からプレッシャーに行く時は、僕らが矢印にならないといけない」と話し、同じ守備で力を使うにしても、酒井の存在もあり自陣方向に戻る労力より、前方に追っていく方向に力を使える面について話した。
トレーニングも含め、ソルバッケンや前田がキープした外側を酒井が追い越していく場面には、欧州のクラブを見ていると錯覚させるような迫力がある。コンディション調整も順調なだけに、今季は酒井が持つストロングポイントが大いに発揮されそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)