浦和の新トレーニングは“ヨガ”!? 元教師の指揮官ルーツに迫る「価値観が好き」
沖縄キャンプ中にヨガを導入
浦和レッズに今季就任したペア・マティアス・ヘグモ監督は、沖縄県トレーニングキャンプ中に取材対応。ヨガを導入するなど異色のトレーニング手法について「禅からもインスピレーションを得た。インド、日本などの仏教の哲学にも惹かれる。そういう価値観が好きだ」と話し、教師を務めた経歴もあることを明かした。
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浦和は昨季率いたポーランド人のマチェイ・スコルジャ監督が1シーズンで退任。トップチームの強化責任者だった土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)も退任し、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)が役職をそのままに強化責任者を務める。そして、ノルウェー代表監督の経験を持ち、スウェーデン1部ヘッケンを優勝に導いた実績を持つヘグモ新監督を招聘した。
本格的なトレーニングとなった沖縄キャンプでは、午前中にピッチ上で負荷を掛けた際に、午後を室内でヨガに取り組むメニューとすることがあった。このようなアイディアについて、ルーツを「現役時代にトロムソILで、スウェーデン代表監督としてアメリカ・ワールドカップ(W杯/1994年)で3位に入ったトミー・スヴェンソン監督に指導を受けていた時」と明かし、「マインドフルネスからスタートして、それが12年前」と話した。
ヘグモ監督は「私自身もサッカーでのメンタルトレーニングに関する本も書いた。空軍のパイロットとのプロジェクトで、注意力、集中力のためにもなった。自分をリラックスさせることも学べる。マインドフルネスやヨガはトータルパッケージだと思う。集中力、注意力を学べるし、俯瞰して自分を見ることもできる。日本でやったらどうなるかと思ったが、100%の集中力でやってくれた。私は禅からもインスピレーションを得た。インド、日本などの仏教の哲学にも惹かれる。そういう価値観が好きだ」と、その考えを言葉にした。
また、「現役の時に実際に教師を行っていた。人々を教育することが好きだ」と話す。プロサッカー選手としての現役生活を送りながら勉強を積んで教師になり、スポーツ大学にも通ったと話す。そして「私は理論と実践、両方が好き。理論を実践に持っていく。さらに実践から理論を導くことが好きだ。そして、学習行動を選手たちに求めている」と話す。
この点において、西野TDと意気投合したことも明かした。就任にあたり「西野さんからコンタクトがあった時に、浦和が目指している、浦和が作りたい文化を一緒にやりましょうと。プレースタイルだけではなくて、学習行動のある文化を作りたいということだったので、大原(浦和のトレーニング施設)に戻ったら新たなミーティングルームができている」と、キャンプ後もさらなる発展があることを予言した。
メンタルトレーニングの重要性が指摘されるサッカー界でもあるが、ヘグモ監督の探求心や教育的な理論が浦和にどのような影響を与えるか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)