今季浦和で“鍵”となる存在は? 新指揮官が就任前から期待大「トップレベルの選手だ」
インサイドハーフが激戦区…MF伊藤にヘグモ監督が言及
浦和レッズに今季就任したペア・マティアス・ヘグモ監督は、沖縄県トレーニングキャンプ中に取材対応。MF伊藤敦樹について「トップレベルの選手であると感じていた」と、就任前時点から注目していたことを明かした。
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浦和は昨季率いたポーランド人のマチェイ・スコルジャ監督が1シーズンで退任。トップチームの強化責任者だった土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)も退任し、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)が役職をそのままに強化責任者を務める。そして、ノルウェー代表監督の経験を持ち、スウェーデン1部ヘッケンを優勝に導いた実績を持つヘグモ新監督を招聘した。
4-3-3システムの導入を明言している指揮官と浦和の陣容を鑑みた時に、明らかな最激戦区はインサイドハーフだと言えるだろう。昨季にプレー機会が多かった伊藤、MF小泉佳穂、MF安居海渡だけでなく、昨夏加入のMF中島翔哉やタイ代表MFエカニット・パンヤ、昨季ルヴァンカップでニューヒーロー賞を受賞のMF早川隼平、J2水戸ホーリーホックでリーグ上位のアシスト数を記録して期限付き移籍から復帰のMF武田英寿が所属。それに加え、FC東京から加入のMF渡邊凌磨もプレー可能で、MF関根貴大やMF大久保智明もこのポジションに意欲を示している。
ヘグモ監督も「インサイドハーフをできる選手が多いと見ている」と話し、「ボールの扱いも上手いし、高い強度を出せる。賢さもあるので、ランニングなどスペースを見つけることができる選手がいる」と話す。ただ、そのなかでも伊藤への評価は高いようだ。
「こちらに来る前の時点で、伊藤敦樹はトップレベルの選手であると感じていた。彼は裏に抜ける能力もあるので、我々のシステムの中で生きる才能があると思う。トレーニングマッチでもそのような形から得点を奪った。得点能力もあるし、アシストもできる。さらに守備で賢さと強度が上がってきていると思う。ほかの選手たちとのコンビネーションも大事だと思うが、時間の経過とともにそこは良くなっていき、プレースピードも上がっていくだろう」
今季はスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンも加わり、逆三角形の中盤が基本になりそうだ。一方でヘグモ監督は「インサイドハーフにはできるだけ高い位置でプレーをしてほしいですが、状況によっては6番(アンカー)と同じラインに落ちてくることもある。そしてもう1人のインサイドハーフが上がって10番(トップ下)のような位置を取ることもある。そのためには前の3人(3トップ)がしっかりと高い位置で張っていることが大事になる。そうすることによってスペースが生まれる」と、中盤の重要性を話した。
浦和ユース出身で流通経済大を経て2021年加入の伊藤は、リカルド・ロドリゲス監督、マチェイ・スコルジャ監督といった指揮官からもダブルボランチの一角として信頼を受け、前に飛び出していくダイナミックな動きを見せ日本代表へ選出。昨季にはデビューと初ゴールもマークした。今季はスタート位置が1列高いことからも、よりゴール前へ飛び込んでいくプレーも期待される。
グスタフソンやノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンは注目を集めているが、フィニッシャーとしてゴール前に飛び込む伊藤の存在が今季の浦和で鍵になるかもしれない。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)