新生・浦和が目指す「高い強度の攻撃的サッカー」 ヘグモ監督に託されたアイデンティティー化
4-3-3システムの導入を明言
J1浦和レッズに今季就任したペア・マティアス・ヘグモ監督は、沖縄県トレーニングキャンプ最終日を前にした2月5日に取材対応。自身のチーム作りについて「高い強度の攻撃的なサッカー」と話した。
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浦和は昨季率いたポーランド人のマチェイ・スコルジャ監督が1シーズンで退任。トップチームの強化責任者だった土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)も退任し、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)が役職をそのままに強化責任者を務める。そして、ノルウェー代表監督の経験を持ち、スウェーデン1部ヘッケンを優勝に導いた実績を持つヘグモ新監督を招聘した。
すでに新加入会見の時点で4-3-3システムの導入を明言していたヘグモ監督は、約3週間の沖縄キャンプについて「選手、スタッフのことを知ることも1つの目的だった。クラブがこのチームに植えつけたいアイデンティティーを手助けするのが私の仕事。それは、高い強度の攻撃的なサッカーだ。練習や練習試合の中でチャンスを作ってゴールを決めている場面が増えてきている。日々小さなステップを踏みながら前進している姿が見られる」と話した。
ヘッケン時代にチームの心臓部だったセンターハーフのスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンを獲得するなど、浦和も今季は大型補強を敢行した。特に両ウイングはノルウェー代表FWオラ・ソルバッケン、FW前田直輝、FW松尾佑介といった破壊力のある面々が加わった。そして、攻守において「浦和レッズにある文化を見ていかないといけない。今いる選手、そして私の哲学、それを融合したものをピッチで表現しなければ」と話す。
ヘグモ監督は攻撃面について「裏に抜けるのが大事になる。相手の背後、ライン間のスペースに入っていく動きもそうだ。トレーニングマッチでも見られたが、インサイドハーフが裏に抜ける、そのような狙いも出てきている。あとは1対1で仕掛けるというところも大事。1対1で成功すれば2対1を作ることができ、ゴールチャンスを作るアドバンテージを得られる」と話す。
また、昨季にリーグ最少失点だった守備面については「最初に練習をした時は、守備の局面でまず下がっていた。しかし、前に出ていくことができるようになってきたと思う。守備の時に、選手たちに常に距離感と強度の話をしている。そしてゾーンディフェンスを中心とした守り方をしている。そのためには選手たちの距離感が近くなければいけない。ブロックとして前後左右に動くことが重要だ」と、昨季よりも前向きにボールを奪い取る戦術を志向。トライ&エラーを繰り返しながら進めている。
ヘグモ監督のキャンプでは、素走りや筋力トレーニングといった、典型的なキャンプによる”身体作り”とイメージさせるようなメニューはピッチ上でのセッションに組み込まれない。MF関根貴大は「サッカーで必要な体力はサッカーでつけろという考えだと言っていた」と、選手に伝えられた方針を話していた。指揮官も「我々のアイデンティティーをこのチームに導入するために、攻撃でも守備でも戦術的なことを行っている」と話した。
昨季よりも攻守にプレーエリアを前方に移すことを狙う浦和は、ヘグモ新監督の下でダイナミックなサッカーの展開が期待される。リーグ開幕まで20日を切ってきたが、攻守に完成度をどこまで高められるか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)