森保監督の判断は「全然、間違っていなかった」 浦和ベテラン西川周作が見たアジア杯のGK運用
森保監督はアジアカップで鈴木彩艶を5試合連続スタメン起用
日本代表はカタールで開催されているアジアカップで、ベスト8敗退に終わった。GK鈴木彩艶(シント=トロイデン)は批判を受けることも少なからずあったが、同様の立場を経験したこともある浦和レッズ時代のチームメイトであるGK西川周作は、「大会で使い続けてくれたことがどれだけGKに勇気を与えてくれるか」と、話した。
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西川はアンダー世代から代表チームの常連で、2008年の北京五輪に出場。以降はA代表にも継続的に招集され、11年のアジアカップでは第2GKながらGK川島永嗣の退場処分の影響もあり、2試合に出場して優勝メンバーに。18年のロシア・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア予選では、最終予選の前半5試合で正GKを務めた。大舞台には手が届かなかったが、代表キャップは31試合を数える。
今大会で日本のゴールはグループリーグ3試合と、決勝トーナメントの2試合でいずれも鈴木が守った。一方で、大会中に多くの批判を集めたのも事実だ。SNSなどでのファン・サポーターの声だけでなく、解説者の立場になった代表OBや有識者からも批判の言葉が多く出た。西川は自身もそうした批判を受けてきた経験を持つだけに、大会における森保一監督のGK起用法にも触れながら話した。
「GKの立場として言えば、大会で使い続けてくれたことがどれだけGKに勇気を与えてくれるか。1つしかない孤独なポジションだし、1つミスをすると、今だと集中攻撃されてしまうこともある。森保監督の判断は全然、間違っていなかったと思う。GKとしてすごく感謝している」
西川は、同じGKというポジションでサッカーに関わる仲間としての思いも乗せつつ話した。
一方で、元チームメイトでもある鈴木のプレーについては、「彩艶も、自分でできなかったことがあったと思う。それは頭の中で彼自身が整理できているんじゃないかと。これから日本代表を背負っていくうえで、間違いなくいい経験になったと思う。一緒にやっていた身としては『最後まで戦い抜いてくれたな』と」と話し、プレー内容に改善すべき点があったことに触れ、そのうえで労いの言葉を残した。
西川は常に現役を続ける限りは日本代表入りを目標にすると公言してきたプレーヤーだが、代表チームのGKがレベルアップする点において「そこで『自分も割って入れるようになっていく』というのがGKのレベルを上げることになると思う。中村航輔選手やダン(シュミット・ダニエル)も、今大会に呼ばれていない選手にもいい選手がたくさんいる。全員で競い合いながら、ライバルでもあるけど1つのGKチームだと思う。GKにしか分からないこともあるけど、そのなかでできたこと、できなかったことを整理しながら自分のものにしていくことかなと思う」と話した。
鈴木にとっては、改めて日本代表で試合に出ることの注目度や反響の大きさを強く感じる機会になったかもしれない。その経験を積んできた西川は、大会中に改善すべきプレーがありながらも鈴木に最後まで任せた森保監督の起用法を支持し、今後の成長の糧になることへの期待を込めていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)