忘れ去られた“司令塔本田” 指揮官が本田不在でトップ下採用を検討
本田の定位置は右サイド?
ACミランのフィリッポ・インザーギ監督は、来年1月のアジアカップ・オーストラリア大会で一時離脱する日本代表FW本田圭佑の不在時に、トップ下を据える4-3-1-2システムの導入を検討していることを、ミランの公式番組「ミラン・チャンネル」で語った。
インザーギ監督は、さらりと本田の自尊心を揺るがすかもしれない一言を言い放った。
「ナポリのユベントス戦を見た後だから、ここ2試合の我々の活躍に満足せずにはいられない。ナポリ戦とローマ戦は僕たちの今シーズンの輝きだった。今やすべてのチームと戦うことができることが分かった。ユベントス戦では優位ではなかったにしても。本田の不在? 4バックと3人のMFで戦うことになる。2ボランチではまだ苦しい。前方は2人のトレクアルティスタ(司令塔)でやるか、1人でやるか様子を見よう。サポナーラもボナベントゥーラもいる。それとも、純粋な3トップでいくのか」
指揮官は背番号「10」の離脱後のチームについて構想を口にした。指揮官の定番は4-3-3システムで、4-2-3-1システムも併用していた。4-2-3-1でトップ下で出場した元フランス代表FWジェレミー・メネズは典型的なゲームメーカーではなく、セカンドトップの色合いが強かった。
本田は常に右ウイングか、右の攻撃的MFで固定されていたが、その不在時にインザーギ監督は司令塔を据える考えを初めて明らかにしたのだ。
若き司令塔リカルド・サポナーラや、ナポリ戦でヘディングでゴールを決めるなど好調のMFジャコモ・ボナベントゥーラがその候補だという。
トップ下のDNAを持つと公言していた本田だが、指揮官は10番不在時に初めて2トップ下のオプションを口にした。現在ウインガーとして新境地を切り開いている本田は開幕7試合で6ゴール2アシストとゴールラッシュを見せた。しかし、指揮官は本田のトップ下よりも、サイドアタッカーとしての適性を高く評価しているということなのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images