イラン戦唯一の光明? 久保ら攻撃陣「複雑なパフォーマンス」…英記者が先発11人を採点
イランのフィジカルに押され後半はペースを握られる
森保一監督の率いる日本代表は2月3日、アジアカップ準々決勝でイラン代表と対戦し1-2で逆転負けを喫した。ベスト8で早々大会を去ることになった日本について、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバーを採点。全体的に「イランのフィジカルに圧倒」された点を嘆いた。
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日本代表・イラン戦の先発メンバー採点(10点満点)
<GK>
■鈴木彩艶 5点
これまでの困難を乗り越えてより確実なパフォーマンスだったが、問題がなかったわけではない。青いシャツを見つけることができず、彼のロングキックからイランの同点ゴールが始まった。PKについては、できることが何もなかった。
<DF>
■毎熊晟矢 4点
インドネシア戦とバーレーン戦は素晴らしいパフォーマンスだったが、イランからは執拗なプレッシャーを浴びていた。アリレザ・ジャハンバフシュとサマン・ゴドスの監視の下で苦しんでいた。
■板倉滉 3点
前半途中に受けたイエローカードは、このセンターバックがイランのフィジカルに苦しんでいる証し。苦難は後半も続いた。試合終盤にミスが起こり、決勝点につながるPKを与えた。
■冨安健洋 4点
パートナーが苦しんでいたこともあり、守備に安心をもたらす責任を一手に引き受けた。前半はサルダル・アズムンの動きを制限したが、後半にはこのストライカーに問題を引き起こされた。
■伊藤洋輝 4点
前方の前田大然がより自由に振る舞えるよう、守備面を強化する意味で強固な基盤を築いた。しかし、ほかのDFと同様にイランのフィジカルに苦しめられた。
<MF/FW>
■遠藤航 5点
日本が優勢だった前半は冷静に試合をコントロールした。しかし、後半はイランが中盤を無視して戦ったため、蚊帳の外に置かれた。アズムンがモハメド・モヘビの同点弾をお膳立てした時にはいるべきところにいなかった。
■久保建英 5点
ほかの多くのチームメートと同じく、良いところも悪いところも混ざった複雑なパフォーマンスだった。前半は所々でチャンスに絡んだが、イランが試合をコントロールした後半は存在感を示すことができなかった。
■守田英正 5点
上田綺世に縦パスを入れ、ボールを再び受けて突破した先制点のシーンは見事なプレー。しかし、遠藤と同じく、試合が進むにつれて影響力は弱まり、最終的にはイランのフィジカルに圧倒された。
■堂安 律 5点
最初の20分は右サイドで毎熊晟矢とうまく連動し、期待感があった。しかし、後半に森保ジャパン全体の勢いが衰えていくなかで、重要性は落ちていった。
■上田綺世 5点
リンクアッププレーで日本の先制点の鍵になった。フェイエノールトの男が深い位置まで降り、守田との連係で相手の守備を切り開いた。ハードワークしていたが、後半は日本がアイディアを使い果たし、フィジカル勝負で敗れたため、苦しんでいた。
■前田大然 5点
サプライズでの先発だったが、チームに活力を与え、優れたパフォーマンスをした1人だった。特に前半45分はイラン陣内でポゼッション奪取に貢献していた。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。