韓国が劇的2-1逆転V 強敵・豪州と死闘演じベスト4進出、アジア杯64年ぶり優勝へ前進

ソン・フンミンの逆転FK弾で韓国がベスト8へ【写真:ロイター】
ソン・フンミンの逆転FK弾で韓国がベスト8へ【写真:ロイター】

準々決勝で韓国とオーストラリアによる優勝候補対決が実現

 アジアの代表チームナンバーワンを決めるアジアカップは、現地時間2月2日の準々決勝で韓国とオーストラリアによる優勝候補対決が実現。延長戦で韓国のFWソン・フンミンが決勝ゴールを奪い、2-1の勝利を収めた。

 オーストラリアはグループリーグを2勝1分でB組を首位通過し、1月28日の決勝トーナメント1回戦ではインドネシアを4-0で危なげなく下した。一方の韓国はグループリーグを1勝2分、最終戦はマレーシアと3-3で引き分けるなど安定感を欠いてE組を2位通過。決勝トーナメント1回戦は30日にサウジアラビアに試合終了間際まで0-1のビハインドながら執念の同点ゴールで追いつき、延長戦を経てPK戦を制した。順調な勝ち上がりで中4日のオーストラリア、激闘を経て中2日の韓国と臨戦過程には差がある試合になった。

 そうしたなかで迎えた試合だが、韓国が立ち上がりにパワーをかけて攻撃的にスタートした。セカンドトップに入ったFWソン・フンミンを中心に右のMFイ・ガンインや左のMFファン・ヒチャンが積極的にゴール前へ進出。サウジアラビア戦で同点ゴールのFWチョ・ギュソンを交えたアタッカー陣が迫力を出した。

 攻撃を受けていたオーストラリアも徐々にゲームのペースを掴み始めて前半20分、FWクレイグ・グッドウィンが強烈なシュートを放つとGKが弾いたこぼれ球にFWマーティン・ボイルが詰める決定機を迎えたが、ボイルはシュートを枠内に抑え込めなかった。

 韓国は前半31分、ペナルティーエリア左からの折り返しをファン・ヒチャンが押し込みゴールネットを揺らすも、直前のプレーがオフサイドと判定され先制点は幻に。すると逆にオーストラリアは同42分、押し込んだ状態から右サイドを深くまで切り崩すと、ファーサイドへの浮き球をグッドウィンが強烈ボレーで蹴り込んで先制。オーストラリアが1-0とリードして前半を終えた。

 後半も再び韓国がパワーをかけた立ち上がりを見せ、イ・ガンインがペナルティーエリア内でシュートを放つなどチャンスも作った。しかしオーストラリアはカウンターを有効に使い、後半6分にはクロスにボイルがフリーで合わせ、さらにこぼれ球をFWミッチェル・デュークが合わせる決定機を迎えたがシュートは枠外。リードを広げることに失敗した。

 その後も韓国は1点を追うなかでの猛攻を見せるものの疲労感は否めず局面でキレを欠き、アタッキングサードでは特に精度が上がらなかった。後半33分にはイ・ガンインが最終ライン背後に絶妙な浮き球パスを供給したが、MFイ・ジェソンがバウンドに合わせられずに大きなチャンスを逸した。

 それでも韓国は後半アディショナルタイムにソン・フンミンがペナルティーエリア内でドリブル突破を図りPKを獲得。これをファン・ヒチャンが蹴り込んで、サウジアラビア戦に続く劇的な同点劇。試合を延長戦に持ち込んだ。

 そして延長前半14分、韓国が左45度付近でフリーキックを得るとキッカーはソン・フンミン。オーストラリアは壁の下に寝てグラウンダーのシュートを防ぐ選手も用意する構えを見せたが、壁を越えて鋭く曲がり落ちる右足シュートがニアサイドを射抜いて逆転ゴール。韓国のエースが強烈な存在感を放った。

 さらに延長戦のハーフタイム直前、オーストラリアはハーフウェーライン付近でMFアイデン・オニールがファン・ヒチャンへ足裏タックル。当初はイエローカードの判定だったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入でオンフィールドレビューが行われレッドカードに判定変更。オーストラリアは10人になった。しかし、タックルを受けたファン・ヒチャンも倒れた際に腰にダメージを受けたか、ベンチに要求して負傷交代となった。

 韓国はこのまま延長後半を逃げ切って2-1の逆転勝利。準決勝はグループリーグで対戦して引き分けたヨルダンとのリターンマッチになるが、試合中に大会2枚目のイエローカードを受けたDFキム・ミンジェが出場停止。ファン・ヒチャンの状態も不透明なうえに2試合連続で120分を消化と手負いの状態なのは間違いないが、しぶとさを発揮して4強入りを果たした。

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