脅威を示した三笘投入の“メリット”とは? 元日本代表ら見解「ドリブルだけじゃない」
バーレーン戦で三笘が途中出場
元日本代表MF松井大輔氏と元日本代表DF安田理大氏が、スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」に出演して、カタールで開催されているアジアカップに出場している日本代表MF三笘薫の効果について語った。
三笘はアジアカップのグループステージでは出場機会がなかったが、ラウンド16のバーレーン戦(3-1)に途中出場。ゴールに絡むことはなかったが、長い距離をドリブルで持ち運ぶなど、攻撃で存在感を示してチームの勝利に貢献した。
松井氏はバーレーン戦で最もポジティブだったことに、この三笘の復帰を挙げている。「やはり三笘選手のドリブルのメリット。ドリブルで崩せるので、相手が固い、強固なディフェンスを組んでいるところにドリブラーが1人で抜いていってくれると、おのずと味方がフリーになるので、そこにパスを出しやすいっていうことがありますね」と、相手の守備を崩すオプションが増えたことを指摘した。
後半40分の自陣から50メートル近くボールを持ちあがり、エリア内でFW浅野拓磨にラストパスを送った場面が話題になった。が、この時の映像を見ながら松井氏は、三笘がハーフウェーラインを超えた付近で「ここで(パスを)出しても良かったけど、自分で行く。ドリブルにもスピードもあるので」と言い、ラストパスを受けた浅野との息が合わずにシュートまで行けなかったことから「僕的には1人で、自分で行ってほしかった」と、フィニッシュまで独力で行ってほしかったという願望を語った。
また、この5分後には左でボールを持った三笘がDFを引き付け、三笘からの横パスを受けたDF中山雄太が浅野にスルーパスを送る場面もあった。三笘がサイドに入ることで、複数の相手選手がサイドを警戒し、空いた中央を崩す攻撃だったが、松井氏は「中山のスルーパスも良かった。ああいうオプションがいっぱい出ているのは、日本の強さかと思う」と、攻撃の幅が広がったとした。
安田氏は「今もプレミアリーグですごい活躍しているし、みんながドリブルが得意だと分かる。そうなると、ボールを持ったらみんなが『脅威やな』って感じて、注目しちゃいますよね。身体とか、目も『何するんやろう』ってなるから、だからこそ横パスからのスルーパスっていうのが生きてくると思う。ドリブルだけじゃなくて、存在感がでかいと思う。予選に出てなくて、この試合を見たイランとかは、だいぶビックリしたんじゃないですか? 『ここで来る!?』って。短期の大会でみんなが疲れてくるなか、こんな選手がフレッシュな状態できたら『ややこしい』しかない」と、大会序盤に出られなかった三笘が、決勝ラウンドで対戦する相手に脅威になっている可能性を示唆した。
大会前から注目選手の1人として挙げられていたが、負傷でピッチに立てない時間の長かった三笘。5度目の優勝を目指す日本にとって、その復帰はとてつもなく大きなメリットがありそうだ。