運命のイラン戦、日本代表OB「推奨スタメン」 「本来は先発で使いたい」選手は?【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】左SBはイランの高さを考えて伊藤洋輝がベターか
森保一監督率いる日本代表は、2月3日に行われるアジアカップの準々決勝でイランと対戦する。アジア最上位のFIFAランキング17位とそれに続く21位の対戦。負けたら終わりの一発勝負が続くなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏に推奨スタメンを訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は1月31日に行われた決勝トーナメント1回戦のバーレーン戦に、MF堂安律、MF久保建英、FW上田綺世のゴールで3-1と勝利。MF伊東純也の離脱が発表されたこともあり、中2日のイラン戦でもバーレーン戦のメンバーが主体となるのは間違いないだろう。
守備陣は今大会4試合すべてで失点と不安要素の1つだが、日本代表OB栗原氏はここまでスタメンで起用されてきたGK鈴木彩艶に守護神を託す。
「GKは彩艶から代えない。いや、代えられないといったほうが正しいのかもしれません。経験豊富なベテランがいれば話は別ですけど、(代表1キャップの)前川(黛也)に代えても、逆に賭けになってしまう。アジアカップの先も見据えたら、今大会は彩艶を使い通したい」
最終ラインはDF毎熊晟矢、DF冨安健洋、DF板倉滉、DF伊藤洋輝を並べた栗原氏。バーレーン戦のDF中山雄太から伊藤に代える理由に「イランの高さ」を挙げる。
「中山も当たりに弱いわけではないけど、バーレーン戦の失点の場面ではあっさり競り負けた。イランはエースの(メフディ・)タレミが累積警告による出場停止でいないとはいえ、ヘディングに強い選手も多いので、中2日であることも考えると代えるほうがいいかもしれない」
アンカーにはMF遠藤航、2列目にはMF堂安律、MF久保建英、MF守田英正、MF中村敬斗と予想。バーレーン戦で復帰したMF三笘薫は「本来はスタメンで使いたい」としつつ、無理をさせられない、かつ“切り札”として勝負どころで起用したいと栗原氏は語る。
「1ボランチ(4-1-4-1)か2ボランチ(4-2-3-1)のどちらかは分かりませんが、旗手(怜央)が負傷してしまったこともあり、遠藤と守田は同時起用するでしょう。伊東離脱となれば右は堂安、左はまずは中村がいいかなと。暑さや芝の影響があるかもですけど、チームとしてカットインからシュートというシーンも少なく、いい攻撃の形は限られている。今大会は交代でギアが上がった試合がほとんどなく、南野(拓実)を途中で使っても思うように機能しなかった。唯一上がったのがバーレーン戦の三笘なので、三笘は切り札として投入するのが効果的だと思います」
栗原氏は1トップにFW上田綺世を選択。「浅野(拓磨)は一発はあるけど、バーレーン戦では足も動いていなかったし、決定機を外したのを見ると、上田は外せない」と、その理由を話した。
90分で決着をつけられるのが理想としつつ、「1点を取って守りに入ると怖い」と栗原氏はゲームマネジメントの重要性も説いていた。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。