副審負傷→観客席から即デビュー ブンデス珍事に「そんなことある!?」「日本だと有り得る?」

ヴォルフスブルク対ケルンで”審判補充”の珍事発生【写真:Getty Images】
ヴォルフスブルク対ケルンで”審判補充”の珍事発生【写真:Getty Images】

副審の顔面にボールが直撃→続行不可に

 1月27日に行われたドイツ1部・ブンデスリーガ第19節ヴォルフスブルク対ケルンの一戦は1-1とドローに終わった。試合中、審判員が不慮のアクシデントで続行不可となり、観客席から新たに審判員を補充する珍しいシーンが起こっている。

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 ヴォルフスブルクのホームで行われた一戦。0-0で迎えた前半14分、ケルンDFマックス・フィンクグレーフェのクリアボールが副審のトルベン・シーワー氏の顔面に直撃する。15分間の治療の後、続行不可となる緊急の事態となった。

 第4の審判員を務めていたニコラス・ワグナー氏が代わりに副審に入ったが、空席となった第4審の補充が早急に必要となる。そこで観客席から審判資格の持つ1人を探し出し、名乗り出たトビアス・クルール氏が第4審を急遽務めることになった。

 試合はその後無事に進み、1-1で終了。試合を中継する「スカパー!ブンデスリーガ」公式X(旧ツイッター)も「珍事件発生」とこのシーンを切り取って紹介すると、SNS上では「見つかって良かった」「お客様の中に審判資格を持つ方はおりませんか」「Jリーグで同じこと起きたら審判できるのかな」「日本だと有り得るのか?」「そんなことある!?」といった声が寄せられた。

 ブンデスリーガ公式でも後日、この経緯が公表されている。シーワー氏が続行不可能になった際、会場では「審判資格を持つ観客を探すようアナウンスされた」という。スタジアムのVIPエリアで試合を観戦していたクルール氏は呼びかけに答え、カジュアルな服装を脱ぎ捨てて、新しい第4審のオフィシャルウェアに身を包んだ。

 普段はアマチュアのギフホルンというチームで普段はGKとしてプレーしているというクルール氏。同クラブのスポーツディレクター(SD)でもあることが記事で紹介されている。また主審を務めていたセーレン・ストークス氏は「ある試合のハーフタイムに主審が負傷した際、第4審判としてブンデスリーガの審判団にデビューした」という経歴を持っているという。

 そのストークス氏は「彼はすぐに(審判団の)正式メンバーになった」と試合後に語り、ヴォルフスブルクとケルンの両監督も、このクルール氏の活躍に満足していると報じられた。

 一方の心配されるシーワー氏は、脳震とうの疑いで病院に運ばれたが「現状は回復傾向にある」という。記事は「関係者全員にとって、特にクルルにとって、このブンデスリーガ第19節は長く記憶に残るものとなった」と締めくくっていた。

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