韓国が劇的なベスト8進出! サウジ相手に敗退寸前→“幻想的”同点弾→PK戦で勝利

韓国がPK戦で勝利しベスト8進出【写真:ロイター】
韓国がPK戦で勝利しベスト8進出【写真:ロイター】

試合は延長戦を含めて120分で決着がつかずにPK戦

 アジアの代表チームナンバーワンを決めるアジアカップは、1月30日に決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと韓国の優勝候補対決が実現。延長戦を1-1で終えた激闘は、PK戦の末にPKスコア4-2で制し、韓国がベスト8に駒を進めた。

 サウジアラビアはF組を2勝1分で首位通過。韓国はE組を1勝2分で2位通過してこのカードになった。サウジアラビアは母国のイタリア代表を2021年に欧州選手権(EURO)の優勝に導いたロベルト・マンチーニ監督、韓国は往年の名ストライカーで母国ドイツの代表を率いたこともあるユルゲン・クリンスマン監督が率いる。両監督ともこの大一番に5バックシステムを採用したが、4バックで戦ってきた韓国は今大会で初のシステム変更になった。

 サウジアラビアの方がこのシステムでのビルドアップに慣れている感じを見せて序盤にボールを持ったものの、次第に韓国も順応してマンマーク気味に厳しく寄せて、奪ってから速く攻める形を見せるようになった。そのなかではMFイ・ガンインが右シャドーの位置から前を向いてドリブルで運ぶ姿勢を見せたが、サウジアラビアも速い寄せでファウルを厭わずストップ。最前線のFWソン・フンミンまでボールはなかなか届かずに試合は膠着した。

 前半40分にはサウジアラビアからシュートが2回にわたってクロスバーに当たるチャンスを作ったものの、前半はこのまま0-0で終了した。

 そして後半の立ち上がり、韓国のキックオフでスタートしたがパスがつながらずにサウジアラビアボールになると、左サイドから中央へ入れたパスをMFサレム・アル・ドサリがフリックして最終ラインの背後に流し込んだところに走り込んだFWアブドゥラ・ラディフが蹴り込んで先制。後半開始から33秒の電光石火の一撃で試合が動いた。

 クリンスマン監督は後半10分を前にFWファン・ヒチャンを投入。さらに後半19分の交代で4バックにして前線の選手を増やし、ソン・フンミンを本来の左アタッカーの位置に戻した。しかし、自分たちがボールを持って崩していく必要に迫られた韓国は攻撃の質を高めることができず、サウジアラビアの組織された守備の前にゴール前へなかなか入り込ませてもらえない時間が続いた。

 サウジアラビアはラスト10分を前に興奮したマンチーニ監督がイエローカードを受け、ラスト5分では韓国が猛攻。アディショナルタイムの表示10分が近づくなか、右サイドからのクロスをファーサイドで折り返すと最後は途中出場のFWチョ・ギュソンが頭で押し込んで同点に。最後の粘りで1-1に追いつき延長戦に持ち込んだ。

 延長戦に入ると追いついた勢いのまま韓国が攻勢の時間が続いた。サイドの浅い位置からでもクロスが次々に入る展開になり、セットプレーも増えた。それでもサウジアラビアが延長前半の開始直後を耐えると試合は再び膠着。疲労をためた両者はプレー精度を著しく落とし、韓国は延長後半に相手ペナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったビッグチャンスも自分たちが混乱してシュートまで持ち込めなかった。試合はこのまま動かず、決着をPK戦に持ち越した。

 サウジアラビアが先攻になったPK戦は、韓国GKチョ・ヒョヌが3人目と4人目を連続ストップ。キッカーは4人が連続で決めて韓国が4-2でPK戦を制してベスト8入りを決めた。非常に消耗の激しいゲームを勝ち残った韓国だが、準々決勝では中2日で休養が2日多いオーストラリアと対戦する厳しいスケジュールが待っている。

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