後半アディショナルタイムに追い付き、PK戦で勝利

　日本女子サッカーの三大タイトルの1つ、第45回皇后杯全日本女子サッカー選手権の決勝が1月27日に行われ、INAC神戸レオネッサがPK戦までの激闘を制して三菱重工浦和レッズレディースを下して優勝を果たした。

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　2大会ぶり2回目の優勝を目指す浦和は、準決勝でサンフレッチェ広島レジーナと3-3の点の取り合いからPK戦までもつれ込む激闘に勝利して決勝へ。しかし、そのゲームで負傷交代になったFW安藤梢とMF猶本光の2人は決勝に間に合わず、登録メンバーから外れた。一方で7大会ぶり7回目の優勝を目指すINAC神戸は、準決勝でちふれASエルフェン埼玉に延長戦の末3-2で勝利して決勝に進んだ。今季のリーグ戦で首位の神戸を勝ち点1差の2位で浦和が追っている好調なチーム同士の対戦になった。

　立ち上がりから浦和が攻撃的な立ち上がりを見せ、高い位置でのプレスも機能させて主導権を握った。そして前半20分、連動したプレスからMF塩越柚歩がボールを奪うと右サイドに展開されたパスを受けたMF清家貴子が縦に仕掛けてクロス。このボールは目の前の相手DFに当たってコースが変わると、GK山下杏也加の頭上を抜けてゴールに吸い込まれ浦和の先制点になった。記録はオウンゴールとされた。

　後半も全体的に浦和がペースを握った試合を展開したが、INAC神戸はアディショナルタイムのほぼラストプレー、ゴール前のこぼれ球を田中美南が押し込みにかかったところ、浦和DF石川璃音のスライディングブロックがハンドの判定でPKに。これを神戸のFW髙瀬愛実が蹴り込んで1-1の同点に追い付き、延長戦に決着を持ち越した。

　延長前半に浦和は清家がペナルティーエリア内でシュートを放つチャンスを作るも山下がセーブ。INAC神戸は延長後半のラストプレーでDF守屋都弥のクロスをフリーでMF北川ひかるが合わせる決定機も枠外へ。試合はPK戦へともつれ込んだ。

　PK戦で池田と山下の代表経験を持つ両GKはそれぞれ相手の3人目をストップ。さらに池田は準決勝と同じく4人目のキッカーとしてシュートも成功させた。決着は7人目、浦和はMF伊藤美紀のシュートがゴールポストに当たって外れ、INAC神戸が優勝を果たした。

　今季就任で初タイトルになったINAC神戸のジョルディ・フェロン監督は、「この勝利に値する努力を積み重ねてくれた。選手もスタッフもよく戦ってくれた。PKはくじ引きのようなものでどちらに転がってもおかしくない。浦和も素晴らしいチームだったと称えたい。両チームの素晴らしい試合だった。このクラブにとって皇后杯を獲るのは目標であり大事だった」と話した。

　また、延長戦の途中で相手と接触して足を痛めながらPK戦を戦った山下は、「最後まで諦めないみんなのパワーがうしろからも伝わった。最後、内容には満足できないようなスタイルだったけど、1-1に持ってこられたのはみんなのパワーだったと思う」と話し、田中は「内容は課題が多いけど、チームが積み上げていることが間違いないと証明できたと思うので、このまま勢いを持ってリーグ戦も取りにいきたい。サポーターのみなさん、7度目、お待たせしました。今日は一緒に喜んでください」と喜びの声を発していた。