「右サイドの連動性が出た」 日本代表OB、インドネシア戦先発・毎熊晟矢の継続起用を推奨【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】毎熊の活躍はグループリーグの数少ない収穫
森保一監督率いる日本代表は、1月24日に行われたアジアカップのグループリーグ第3戦でインドネシアを3-1で下し、グループ2位通過で決勝トーナメント進出を決めた。今大会初先発で起用されたDF毎熊晟矢は、右サイドバック(SB)でフル出場。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、苦戦を強いられたグループリーグの収穫に毎熊を挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本はグループリーグ第2戦イラク戦(1-2)からスタメン8人を変更。GK鈴木彩艶、MF遠藤航、MF久保建英が残り、DF冨安健洋やMF堂安律、毎熊ら7人が今大会初先発となった。
日本は前半6分、FW上田綺世がPKを決めて先制。後半7分にも堂安からのパスを冷静に押し込んだ上田の2得点目でリードを広げると、同43分にオウンゴールで3点目を奪った。
その後、後半アディショナルタイム突入直後にロングスローから失点も3-1で勝利を奪い、グループ2位での決勝トーナメント進出を決めた。
右SBでフル出場した毎熊は、前半35分には久保とのコンビネーションから浮き球のパスを滑り込んで中央へクロス。合わせたMF中村敬斗のシュートはポストに弾かれたが、ダイナミックな多彩なプレーでチームに勢いをもたらした。
森保ジャパンは今大会、初戦のベトナム戦で4-2と勝利するもフィリップ・トルシエ監督が指揮を執るチームに一時は逆転を許し、第2戦でイラクに1-2と敗れるなど、苦しい戦いを強いられてきた。日本代表OB栗原氏は、「ベトナム、インドネシアに勝つのは当然、イラクとどうなるか。そのイラク戦で評価に値するプレーをしないと評価にならないというところで、そこで駄目だったわけだからなかなか評価しづらい」と厳しく指摘しつつも、「冨安は流石だなと思いました。インドネシア戦で良かったのは冨安、上田、毎熊くらいですかね」と言及。毎熊の可能性についても触れている。
「開幕2試合でスタメンだった菅原(由勢)は、アジアカップが始まるまでは良かった。ただこの2試合の出来が良くなかったという意味では、今日の毎熊を見たら、右サイドの連動性が出た気がするし、毎熊のほうがいいなと思いました。もちろん、菅原を軸で行こうとした意図も分かる。ただ、ここ2戦は不調だったのでそこは代えてきたのかなと感じました。森保監督の期待に応えたので、おそらく決勝トーナメントは毎熊でいくんじゃないでしょうか」
菅原と毎熊による右SBのポジション争いにも注目が集まる。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。