森保J、GL出場全23選手「パフォーマンス査定」 堂安がMVP…満点4人「外せない」選手は?【現地発】
GL3試合の出場メンバー23選手を5段階査定
森保一監督率いる日本代表は、1月24日にカタール・ドーハで行われているアジアカップのグループリーグ第3戦を迎え、インドネシア代表に3-1で勝利した。これによりベスト16入りが決定。2位でグループを抜けて決勝トーナメントへ進む。
森保ジャパンは初戦のベトナム戦では一時逆転を許す展開がありながらも最終的には4-2で勝利。第2戦のイラク戦では序盤で失点を許すなど苦戦を強いられて1-2で敗れた。
1勝1敗で臨んだインドネシア戦では立て直しを図り、3-1の勝利を掴み取った。ここではグループリーグ3試合でピッチに立った選手のパフォーマンスを振り返るべく、出場23選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
<GK>
■鈴木彩艶(シント=トロイデン)=★★★☆☆(3試合出場)
3戦の5失点でGKだけのせいにするのは厳しい。その前の守備の段階で止めてほしい失点が多かったが、GKが止めてくれたら助かる面もあるのは確か。高精度のフィードでチャンスを作り、良さも出せていた。アジア杯で経験を積んで真の守護神へと駆け上がれるか。一発勝負はさらにGKの存在が重要になるだけに、大会の中での鈴木の成長に期待したい。
<DF>
■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★☆☆(2試合出場)
イラク戦ではワイドに走らされて裏を取るタスクを任されたのは酷だった。ベトナム戦の後半に見られた幅を取ったチャンスメイクをさらに強化してもらいたい。高さもあり、現時点では左サイドバック(SB)1番手になるだろう。
■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★☆☆☆(2試合出場)
第2次政権で見せていた安定感という面では少々物足りないものもあった。特にイラク戦では1対1が強い相手だったとはいえ力負けするシーンも。冨安が復帰する決勝トーナメント以降ではパフォーマンスも向上するか。
■板倉 滉(ボルシアMG)=★★☆☆☆(2試合出場)
コンディションに問題があり、インドネシア戦ではベンチ外。その影響があったのか、ベトナム戦、イラク戦ともに板倉らしくない不安定さが気がかりだった。大きなミスは見られなかったが、中6日で万全にしてもらいたい。
■菅原由勢(AZアルクマール)=★☆☆☆☆(2試合出場)
第2次政権始まって以来のコンディションの悪さが目立った。2戦目でもなかなか改善されなかった。森保ジャパンで一番試合数をこなし、タフな日程で長距離移動の連続……公式戦の重圧もあっただろう。「自分の満足のいくパフォーマンスができていないのは自分自身が一番分かっている」と悔しさを露わにしていたが、その思いを必ずぶつけてくれるはず。2試合で欠けていたダイナミックさを取り戻し、らしさ全開で堂々とプレーしてほしい。プレースキッカーとしても期待している。
■毎熊晟矢(セレッソ大阪)=★★★★★(2試合出場)
右SBのレギュラー争いで評価は急上昇中。大舞台でも臆することなく堂々とした姿。インドネシア戦では、追い越す動きを見せながらもインサイドに入っていく、攻撃で良さを発揮した。守備でも強さを見せれば、文句ない出来だろう。
■冨安健洋(アーセナル)=★★★★★(2試合出場)
出場中は無失点を継続中。まるでピッチ上の監督。インドネシア戦では、イラク戦で苦戦したラインコントロールを見事に修正。最終ラインから前線へ指示を飛ばし、鋭い縦へのパスも通す。1人いるだけでピッチの安定感が全然違う。絶対に外せない。
中盤は少々苦戦……攻撃陣には高評価も
<DF>
■中山雄太(ハダースフィールド)=★★★☆☆(1試合出場)
インドネシア戦では試合の序盤で少しミスもあったが、徐々に入っていけた。後半に入ってからは攻撃にも出て行けていた。左サイドの連係の向上は期待できそうだ。
■渡辺 剛(ヘント)=★★★☆☆(1試合出場)
途中出場で相手が仕掛けてくるなかで締める役割を全うした。決勝トーナメントでも“クローザー”として出番があるかもしれないため、事故が起きないようにしてもらいたい。
■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★☆☆(1試合出場)
先発出場したインドネシア戦では冨安に牽引されながらも守備でリズムを生み出した。滑ってしまうシーンもあったが、大きなミスはないのでここからは自分の良さももっともっと出してほしい。
<MF/FW>
■遠藤 航(リバプール)=★★★☆☆(3試合出場)
最初の2試合では細かいパスミスやトラップで乱れがあった。だが、そのなかでもアシストやゴールという結果を残すのはさすが。3戦目ではアンカー気味に入って、中盤のケアができていた。
■守田英正(スポルティング)=★★★☆☆(2試合出場)
カバーに追われることが多く、なかなか特徴を出しづらかったか。ただ運動量やゴール前への顔出しで牽引。多くのタスクをこなそうと奮闘していた。
■佐野海舟(鹿島アントラーズ)=★★☆☆☆(2試合出場)
出場機会はまだ少なかった。そのなかでも、ボール奪取から即攻撃につなげるシーンが見られたのは収穫だ。
■旗手怜央(セルティック)=★★★★☆(2試合出場)
イラク戦で精度の高いコーナーキックからゴールを演出。先発出場したインドネシア戦では神出鬼没っぷりを見せ、DFの間でボールを受けながらダイレクトプレーでチャンスを創出。出足も速かった。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★☆(3試合出場)
2戦では右サイドからの打開に苦戦。そのなかでも、アイデアを出しながらチーム随一のクロスの精度はさすが。インドネシア戦は短い出場時間で3点目をお膳立て。森保ジャパンの必殺仕事人。
■南野拓実(ASモナコ)=★★★★☆(3試合出場)
ベトナム戦の2ゴール1アシストはチームを救う活躍だった。イラク戦前半の左サイド起用に苦戦したが、攻守の切り替えの早さは武器。途中から出場しても守備の貢献度が高い。3試合出番を掴んだのは第2次政権後、継続的に結果を残してきたから。まだまだゴールで引っ張ってほしい。
ノーゴールもMVPの活躍、メンタル面での牽引も評価
<MF/FW>
■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★☆☆(3試合出場)
2試合で先発も、途中出場したベトナム戦が最も光っていた。出場即アシストで会場の雰囲気を一変させた。ただ2戦目、3戦目は状態に不安が残っているのか苦労が見て取れたので、球離れを良くしてもらいたい。
■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★☆(2試合出場)
ベトナム戦でA代表デビューから6戦6発をマーク。インドネシア戦はポストに嫌われたが、アタッカーとしての嗅覚と枠に飛ばすシュートの上手さ、驚異的な決定力はアジア杯でも健在。引かれた相手に少ないチャンスを仕留めきる。決勝トーナメント以降でも頼もしい姿を見せてほしい。
■堂安 律(フライブルク)=★★★★★(3試合出場)
このアジア杯に懸ける思い、強烈なリーダーシップ、強い気持ちが見て取れる。10番としての責任感を誰よりも持ち、表現。その姿に周囲は影響されるだろう。個性溢れる発言もチームに必要なことを自身で理解している。「この状況を堂安に変えてほしい」そう思わせる力がある。先発したインドネシア戦で訪れた3度の決定機などで決めたかっただろうと思うが、ここから。GL3試合でのMVP。
■上田綺世(フェイエノールト)=★★★★★(3試合出場)
3戦3ゴール。インドネシア戦ではほぼハットトリック達成と言っていいオウンゴール誘発もあった。大会前のコンディションは万全でなかったと思うが、それでもゴールを決めるエース。アジア杯でゴール数を伸ばしてほしい。
■細谷真大(柏レイソル)=★☆☆☆☆(1試合出場)
先発したベトナム戦ではハーフタイムで交代。まだ悔しさが残っているだろう。ただ課題は明確。練習では笑顔が増えたように見えるので、先輩FWから吸収して決勝トーナメントへつなげてもらいたい。出番は来るはず。
■前田大然(セルティック)=★★★☆☆(2試合出場)
途中出場2試合で多少守備に追われつつ、スピードを発揮する姿も。低い位置からのスタートにならないようにベスト16以降の一発に期待。
■浅野拓磨(ボーフム)=★★☆☆☆(1試合出場)
イラク戦で決定機から枠外シュートが悔やまれる。浅野のスピードが必要になる瞬間は絶対にある。得意のドーハの地でゴールを決めてもらいたい。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)