中国代表GKが“衝撃ミス”「あってはならない」 母国糾弾も…復活の守護神に注目【23年厳選トピック】

中国代表のゴールマウスを守ったイェン・ジュンリン【写真:ロイター】
中国代表のゴールマウスを守ったイェン・ジュンリン【写真:ロイター】

アジア杯でもゴールマウスを守ったGKイェン・ジュンリン

 2023年のサッカー界では数々の衝撃シーンがあったなか、今回は中国代表GKのまさかの先制点献上に注目する。成長を重ね、今もなお守護神の座を守るGKに何が起こったのか。

 2024年1月12日に開幕したアジアカップでは、A組に振り分けられた中国。第1節でタジキスタン相手に0-0、第2節のレバノン戦でもスコアレスドローに終わった。今大会の初勝利を目指した23日の開催国カタールとの一戦では、0-1で敗れてグループリーグ敗退が決まっている。

 厳しい現実を突きつけられた中国だが、3試合での失点合計は「1」。守備の1人として奮闘していたのがGK顔駿凌(イェン・ジュンリン)だった。そんなイェン・ジュンリンも、苦境に立たされた過去がある。

 中国1部の上海海港で普段はプレーするイェン・ジュンリン。昨年10月20日のリーグ第28節・北京国安戦(1-2)でのミスは、大きな反響を呼んだ。0-0で迎えた前半25分、最終ラインからのバックパスを自陣ゴール前で受けたイェン・ジュンリン。パスの出しどころを探すべくキープしていた最中、相手MF王剛(ワン・ガン)が寄せてそのままゴールネットへ蹴り込まれてしまった。

 貴重な先制弾を与えてしまった代表守護神について、当時母国スポーツメディア「網易」は「勝てば優勝が決まる重要な一戦で、イェン・ジュンリンはあってはならないミスを犯した。イェン・ジュンリンが集中砲火を浴びた」と糾弾。代表としての実力が疑問視される事態に陥った。ファンからも「もはやワールドカップ(W杯)は遠い」「相手が来るのを待ってるように見えるのは気のせいか…」といった懸念の声も挙がった。

 それでも24年のアジアカップでは先発に抜擢され、タジキスタンとレバノン相手に失点を許さず。最終節のカタール戦も後半途中まで無失点に抑えていたが、デザインされたコーナーキック(CK)から放たれたFWハサン・アル=ハイドゥースのゴラッソで今大会初の失点。結局点差を埋めることができず、中国は2分1敗(失点1)で大会を去ることになった。

 チームの結果は付いてこなかったが、昨年のクラブでのミスから立ち直ったイェン・ジュンリンの活躍は大きかった。2011年大会以来、12年ぶりのグループリーグ敗退は母国でも厳しい意見が立ち込めるなか、GKイェン・ジュンリンを含めた守備陣の奮闘は評価に値するはずだ。

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