FIFAでも問題視される差別問題 欧州に続き日本でも浮き彫りに?…海外メディアも注目
GK鈴木のコメントを受け森保監督も言及「あってはいけない」
森保一監督の率いる日本代表は1月24日、アジアカップ・グループリーグD組・最終節でインドネシアと激突する。前日会見で、森保監督は直近2試合でゴールマウスを守ってきたGK鈴木彩艶へのSNS上での差別発言について語った。この問題について海外メディアも反応している。
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14日のベトナム戦(4-2)では、前半セットプレーの流れから2失点した日本。また19日の第2節イラク戦(1-2)は、前半5分に右サイドを崩され中央へのクロスをGK鈴木がパンチングで弾いた先にいたFWアイメン・フセインにヘディングで押し込まれて失点した。
イラク戦の場面では、崩された右サイドの守備の問題点も大きいなかで分かりやすいポジションでもある鈴木へ批判が集中。鈴木は22日の取材対応で、次戦に向けて前を向きながらも「差別的な発言」を受けたことを明かしていた。
前日会見で森保監督は、この事実を受けて「人権を侵害するということはあってはいけないことだと思っています。我々の大切な選手である鈴木彩艶に人権侵害の言葉、差別的な言葉を向けられた人には断固として抗議したいと思いますし、彩艶についてはストレスや傷ついている部分があればチームで全力でサポートして、彼が少しでも穏やかに生活して思い切ってサッカーに集中できる環境を作っていきたい(一部抜粋)」と強く非難している。
この一連の問題に香港紙「South China Morning Post」も注目。「日本人の母とガーナ系アメリカ人の父の間に生まれた21歳の鈴木は、イラク戦のプレー後、自分のパフォーマンスに対する批判は受け入れるが、『人種差別的なコメントは止めてほしい』とメディアに語った」と報じ、欧州でもこうした差別的な問題が横行していることを指摘する。
「ACミランの選手たちは、1月20日のウディネーゼ戦でGKマイク・メニャンに人種差別的な罵声を浴びせられ、ピッチから一時立ち去った。同日、イングランド2部の試合中、シェフィールド・ウェンズデイのファンがコベントリー・シティのMFケイシー・パーマーに人種差別的なジェスチャーをする姿も目撃されている」
こうした背景もあり、FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長から声明も発表され、今後は3段階のプロセスよりも厳しい制裁を求めているという。記事では日本でも起こった差別問題について「多様性のある世界では起こりえない」という森保監督の姿勢についても触れている。
サッカー界で広がる悲しい現実に、日本を含め世界全体がどう対処していくのか。解決の糸口をFIFA側でも探っているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)