中東ファン大挙“超アウェー”なぜ起こる? 独特の雰囲気「アジア杯を戦い抜くうえで重要」【現地発】

超アウェーはなぜ起こる?【写真:ロイター】
超アウェーはなぜ起こる?【写真:ロイター】

イラク戦は3万8000人を超える観客が大声援を送った

 森保一監督率いる日本代表は、1月19日にカタール・ドーハで行われているアジアカップのグループリーグ(GL)第2戦を迎え、イラク代表に1-2で敗れた。立ち上がり5分で失点し、前半終了間際にも追加点を奪われるという展開で、チャンスに転じた回数も少なかった。3万8000人超えのイラクサポーターが駆け付けた“超アウェー”は選手にとってもやりづらかった。独特の雰囲気はなぜ起こるのだろうか。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 超アウェーだった。3万8000人超のイラクサポーターが駆け付けたエデュケーションスタジアムはイラクへの歓声が響き続けた。雰囲気にのみ込まれそうな前半5分、日本は右サイドを崩されると、中央へのクロスをGK鈴木彩艶がパンチングで弾く。この流れたボールをFWアイメン・フセインにヘディングで押し込まれてあっさりと失点した。さらに前半アディショナルタイムにも右サイドを崩され、再びフセインにヘディングシュートを叩き込まれて前半に2失点を喫した。

 翌20日に行われた韓国対ヨルダン。アルトゥマーマ・スタジアムにも3万6000人を超えるサポーターが韓国のエースFWソン・フンミンに大ブーイングを送っていた。

 この中東の雰囲気、日本の立ち上がりの不安定さも作り上げた。MF南野拓実は超アウェーとなった会場をこう振り返っている。

「ピッチに立って話し声が聞こえづらい環境は、普段やっている環境もそうだけど、どういうプレーで示すか。プレーを切った時に整え直すとかやり方はある。チームとして引き締められなかった。このアジアカップを戦い抜く上ですごく重要だと思う。経験のある選手たちがいっぱいいるけど、こういう雰囲気、アジアの相手に対して試合を読んでいかないといけない。僕も経験のある1人なので、そこをチームとしてもっと中の選手たちが意識を共有しないといけないと思う」

 ドーハには各国の出稼ぎ労働者が多く、特に日本対イラクが行われたのはイスラエルの休日である金曜日だった。韓国戦も休日の土曜日。4万人近い観客が選手を後押した。

 森保監督も「今日のスタジアムも我々には完全アウェーで彼らにはホーム。勢いに乗せていけないといころで抑えきれなかった」と話した。

 日本は2位で抜けると現在E組1位のヨルダンと決勝トーナメント1回戦で対戦する可能性がある。一発勝負での中東との対戦はやはり警戒すべきだ。

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